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ハイラル城





白く美しくそびえ立つハイラル城。
それがよく見える門へと向かった。
自分的にはゼルダに教えてもらった蔦で忍び込む方法が良いんだけれど、まだそれはリンクに伝えてはいない。
リンクにこの正攻法は無理だと言っても、なかなか話を聞いてくれないのだ。



『…………無理だと思うけど』

「行ってみなきゃ分からない!!!」



と門にいる兵士へ突撃していった。
……いや、兵士に肉体で突撃するんじゃなくてね。無理だと思うけどね、話をね、聞いてもらおうよ。
というかこれは本来非公式な謁見なのを気づいてるかいリンク……。

突撃したはいいけど簡単に兵士にあしらわれてコロコロ転がった。



「だから聞いてよおじさん!!俺は城に行かなきゃ行けないんだ!!」


「こら小僧!!お前みたいな奴が城に入れる訳がなかろう!!」


「けど俺にはやらなきゃいけないことがあr…………」


『はいはいすいませんうちの子がご迷惑をかけてごめんなさい許して下さい!!!』



これ以上放置しとくと兵士さんが剣を今にも抜きそうなので何も言わないよう口を手で塞ぐ。
案の定、城には入れてもらえず自分の子が他人に迷惑をかけて必死に謝るお母さんみたいになってしまった。

この歳でこんな言葉言うなんて思わなかったよ……。

急いで門の場所から一旦逃げて城の近くに点在する茂みに隠れた。



〈子供を持つと苦労するネ……〉

『やめてよナビィ……冗談に聞こえなくなるから……』



昨日の騒ぎといい、今日といい……。

何だろう、考えるとほぼリンクが発端だよね。もっと慎重にいけないかな……まぁ、まだ幼いからしょうがないだろうけど…。



『違う方法で行った方がいいね』

〈そうね、忍び込もうヨ〉

「え、門があるのに?」

『唯一礼儀的で平和的な正しい方法を台無しにしたのは誰だよ』

「うっ……」



ぐぅの音も言えなくなったリンクにため息をつき、
仕方なく他の方法でどこか門を越えられそうな所を探す。


確か、ゼルダの話では蔦を登って行けたはず。

兵士がいた門から離れて城下町へ続く道の途中、道の塀にしっかりした太い蔦があった。



『リンク、これでならお城に進めそうじゃない?』

「こっからなら城まで見つからすに行けそうだね」
まあ、子供なら行けるだろう。大人だと重量オーバーでちぎれてしまいそうだ。

自分の体重で登れるか心配だけどしっかりと根を張ってるようだ。

蔦を(頑張って)登って兵士に見つからないように城へと進む。
城の周りは思ったよりも兵士の配置は少なかった。
城門と城の玄関であろう扉くらいだ。
そして城の周りは柵だけだった。それだけ平和だということなのか。


ゼルダ姫がいる所は城の中ではあるが、外だ。
ゼルダ姫が入り浸ることもあってかそこに続く美しい庭も兵士だらけだろう。



『ここ渡って行けば何とか中に入れそうだね』

「思ったんだけどさ……姉ちゃん前にも此処に入り込んだの?」

『え?い、いや、ないよ?
城下町でリンクを探してる時にたまたま聞いたんだ』

《ナビィ達以外にもこんなことする人がいたのネ……》



ゼルダ姫が話したのは蔦の所だけ。
あとは全部自分の知識からだ。

城門は蔦で突破し、あの水が流れ出ている穴を潜り中へ入れた。


こんなんで大丈夫なのか……ハイラル城。


ズボンを捲り、濡れないようにしたが結局膝から下と腕の裾が濡れてしまったが仕方ない。果たして、次の兵士に隠れながら進むあの庭はある………だろうな…。

茂みに隠れながら見れば兵士が暇そうにふらふら………いや、見張りをしていた。

……よし、兵士達のあのタルさ的に平気だろう。

このとんとん拍子でことが上手くいっていて何かありそうな気がした。
例えばゼルダに騙されてたり(いや……ソレは無いか)
リンクが古典的に転んで見つかったり(それは……有り得そうだな、ウン)



『リンク、古典的な事はしないでね』

「なに古典的って」



そりゃ転んだりとかくしゃみをしたりとか転んだりとか転んだりとか物音立てたりとか転んだりとか。

奇跡的にそんなヘマは無く、上手くだいたい……あの綺麗な広間へと辿り着けた。
良かった良かった。



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