[携帯モード] [URL送信]
午前5時









場所は変わって宿。

子供ということで安くしてくれた優しい宿にいる。ボロボロで汗臭いリンクをお風呂へと投げたあと(←)、自分も入ってすっきりした。
お風呂というか、お湯を張らないからどちらかというと湯浴みな感じだった。


今は木の破片をカッターナイフで削っている。
デクの樹サマの亡きがらだ。
行く前に手頃なものを貰った。

因みにリンク……子供はもう寝ている時間。
ナビィは………寝るのだろうか妖精は……花に止まった蝶のようにとにかく動かない。でも光るから眩しくないようリンクの帽子の中に入れた。




十字架の形に削っている。
角が削りにくいので形はいびつだが気持ちがこもってれば良し!

図工は苦手なのでイメージ通りに削れてくれなくての結果だけれど。

キリを使い穴を空けて、市場で買った革紐を通せばネックレスの出来上がりだ。

残った屑を片して寝る準備をした。



ふと、窓の向こうを見た。



『…………丸い月…あっちとは大違いだ』



けれど元の世界で見てたのとは違う大きな真ん丸の月が空に浮かんで、次第に雲が月を隠してしまった。



* * * *




ピチチ……とさえずる鳥の声が聞こえた。


ひらひらとカーテンから風が流れ込むのを感じた。
昨日、あのままカーテンを閉めるのを忘れていたらしい。


少し埃くささの混じる部屋の匂いをそのままにしばらく思考する。

あぁ、今日ゼルダに会うんだっけ。


あー、でもまだ眠たい……。
アレを作り終わるのに結局大層な時間を費やしてしまったので寝不足気味だ。
わざわざ隣部屋に寝てる図工が得意なリンクを起こしてしまうのも気まずいし。

横にある枕に抱き着く。
あれ、こんなにでかい枕……抱き枕なんてあっただろうか。しかも妙に固いしごつごつしている……。


あー、でも暖かい……。


くかー…………(二度寝)


自分が二度寝を決め込み、瞼を閉じた時もうひとり目を覚ましたのがいた。



「んん…、苦しいー……

んー……何だ…て、
オレ枕がわりになってるし!!」


間近のリンクの声でまた起きた。
せっかく気持ち良く二度寝をしようと思ってたのに。
全く、うるさい。



「え、何でオレのベッドに……って違う!?いつの間に瞬間移動してたんだ?

そして何で姉ちゃんがお腹に抱き着いてんの!?」



どうやら抱き枕だと思ってたのはリンクだったらしい。
お腹に抱き着いていたようだ
もー……朝からツッコミの激しい子どもだなぁー……。



「姉ちゃん!?オレを枕がわりにしないでよ!!」

『んー………うるさい(キュッ』

「う゛っ…!!ちょ、お腹苦し……!!!」



起こされた恨みをリンク(の腹)にぶつける。
見よ、この腕力を!!ふはははは(寝惚けてる)



《全く煩いわね……ユキセ!寝ぼけてないでリンク放しなさい死んじゃうカラ。隣まで聞こえてうるさいのよ》



ふよふよ頭上を飛ぶナビィがしかる。

うつらうつらとしながら身を起こすもまだ眠気が治まらない。



『ハーイ……ふあぁ…。リンク何で私のベッドにいるのかしらないけどおはよう』

「あ、おはよう……ってもう!お腹痛いよ!」



起きてすぐの腹締めには堪えたらしい。リンクは不満な顔でこっちを見ていた。
でもリンクが寝ぼけて私のベッドに入ったのがいけないと思う。
ジブン、ワルクナイ。
ワルイノ、リンク。



鏡を見れば頭がボンバーヘッドになっていたので水で濡らして手櫛で可能なだけ跳ねてるところを戻す。
ああ、また跳ねてる。

後は髪ゴムで結べば多分OKだろう。



《色気も恥じらいも何もありゃしないわね、二人の会話って》

『何の話?』

《さっきのあれ》

『そんなもん求めるのが間違ってると思うって私は思うんだけど』



朝食をとってしばらくしたあとハイラル城へ向かった。

え?もちろん正面から行くらしいですよ。
リンクが。



.

[*前へ][次へ#]

あきゅろす。
[小説ナビ|小説大賞]
無料HPエムペ!