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ひと時の幸せ





ちいさなセレブを目撃し、
品物や文化が集まる城下町だからか先ほどのボウリングや旅の一座など沢山楽しめる場所があった。



「これぴょんぴょん跳ねる!」

「わぁ!可愛いお面!」



お面屋でレンタルした兎お面とドクロお面被った二人は……正直萌えた。
可愛いしか言い様が無いってあれ!!
付け替えっこしててさ、可愛いくて可愛いくて思わず顔がニヤけてくる。

町の人がギョッとして足早に過ぎ去ったとしても顔は緩みっぱなし。


人の目なんか 知 る も ん か!!(気にしてヨ……)


自分は何を被ってるかというと。
ゾーラお面。←
人によって好みが別れるお面だよね。



それで色んな人に見られてると言っても過言ではないね、絶対。
HAHAHAHA。
……負けるもんか…それしか無かったんだから……!


狐のキータンお面が良かったけどみんなレンタルされてて………。ウサギとドクロとゾーラしか無かった訳だ…。
リーデッドは誰が借りたんだろうね。


まあこれでうさぎさん達に変なのが寄らない様にと思い「自分優しい」と自分に言い聞かせて渋い顔でゾーラお面を借りた。
女の子もとても楽しそうに笑ってるしね。

しかし兎お面があって何故ねこお面が無い?という素朴な疑問が浮かんだ。いや別にコッコとか鳥のお面でも何でも良いけど。

無いなら作ってもらおう、ということで密かに自分は注文した。(OKしてくれた)
まぁ、借りられるのは何時になるか解らないけど。


相変わらずお面屋の顔は怪しかった。
位置的に正面から光が当たってる筈なのになんか顔に影が。
そしてやたらと自分を凝視してくるんだから恐い。
注文したら細い目を更に細くするもんだから、自然と視線が明後日の方向へ向いていった。


存分楽しんだあとお面は返して、違う遊びにした。
……自分達以外に一体誰が借りてるんだろね。




* * * *




「ブラボー!ワンダホー!パーフェクトォー!!

坊主には50ルピーだ!」

「やったぁ!」



的当て屋ではリンクがパチンコで見事パーフェクトをとった。

自分も頑張ってみたがなかなか…………2、3外す結果に……。
何度もオマケをやらしてくれるおじさんには申し訳ないよ……。コントローラだとスティックボタンで照準を合わせなきゃいけないから外す事が多いけどゲームじゃなくても難しいな………パチンコ。

射的なら出来たかもしれない。
パチンコだと玉を放つときに手に反動が来るし両手を使うからかぶれる。



「ねぇ姉ちゃんこんなに取れたよ!!」



目をキラキラさせながら両手にぬいぐるみ(あれ、緑の恐竜……?)から袋やルピーなどが両手いっぱいにあった。



『リンク凄いや。私には一度しかパーフェクト取れないもん』

「えへへ!これ、ご飯代に回す?」

『ううん、それはリンクが自由に使えるお金にしていいよ』

「やったー!おじさんもう一回!」



まだやるか。
まぁお小遣いとしてだから自分が口出して良いお金じゃないし、本人の自由で良いけれど……。

このやり取りの中、女の子が一人静かに見つめていたのに気づかなかった。




「あー面白かった!」




と扉を開けて出ていくと外はもう日が沈み、暗くなっていた。
夜空には真ん丸のお月様が。

因みに犬はあんなに沢山はいない。ほどほど。ほんとにほどほど。

ゲームのはなんで夜になるとあんなに沢山の犬がいるんだ……昼にはそんなに見かけ無かったのに。


いるのはザマスおばさんのワンコとその仲間くらいだ。懐いていないんだろうか。




「もう夜?早いなぁ………」


『楽しいと時間が過ぎるのが早いね……』


「一日………終わっちゃったね。今日はありがとう…」



月を見ていた目を後ろ姿の女の子に向ける。
光に照らされて金髪が光っていた。



「私…………
一度で良いから自分でお金を払って買い物したり、遊んだりしてみたかったの……

普通の女の子と同じように……」



そう零す女の子。

俯きながらそう話す彼女はきっと悲しい顔をしているんだろう。





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あきゅろす。
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