ハイラル城下町
脳内に流れるドナドナをBGMにガラガラと馬車に十二分に揺らされたあと、やっとのことでハイラル城下町にたどり着いた。
エルフ耳発覚から長い時間が経った気がする……。
「ついただーよ」
「うわぁ……!此処がハイラル城下町かぁ!!」
たどり着いた先、ハイラル城下町は様々な人が行き交い、あっちを向けば旅芸人が客を呼び寄せていて、
反対を向けば店員が新鮮な野菜や果物や肉など、そしてその加工品を売り出していた。
中にはアクセサリーや服も売っている。
キョロキョロしてると田舎もんだと思われるかな……。
一から十まで見たくなるほどそれほど此処は広くとても賑やかだった。
『うわぁー……
此処まで賑やかだなんて………迷いそう』
《そうね………(主にリンクが)
……ってリンク!?》
『え、まさか……迷子?』
いつの間にか隣にいたはずのリンクがどこかへといなくなっていてナビィが大きな声を出したことで発覚した。
ワオ、予想通りの展開!?
驚きで某風紀委員長の口癖が出てきちゃったよ!!
《ナビィこっち探すね!!》
『頼む!!私はこっちを探すよ!!』
手分けしてリンクを探すことにした自分は市側を、ナビィは広場側を探した。
もう、珍しい物が沢山あってはしゃぎたいのはわかったから
(現に自分もそうだったし!)
人知れず勝手にどこかへ行くのは止めてくれ……!!
* * * *
こんな人が多い所は背が大きいほうではないとなかなか探しづらくて……、
リンクなら食べ物屋の所にいそうな気がするんだけれど……。
ここら辺一体は美味しそうな匂いの立ち込めるグルメ激戦区みたいな感じだ。
色んな屋台があって、少々小腹が空いた自分にとっては十分な誘惑だった。
あ、パンの中に肉や野菜を詰めた料理美味しそう。
あれはハンバーガーかな。
木の実を甘く煮詰めたお菓子のようなものもある。
元の世界とあんまり料理文化は変わらないようだ。
清潔さはここに求めちゃいけないだろう。
ええ、この世界に来て最初のご飯を食べたあとお腹を壊しました。
『もう……勝手に買ってたべちゃうからね!』
半ばやけくそになってパンを買い食いした。
こっちもお腹空いてしかたないのだ。
こんなそそられる匂いが漂う市にいれば人の限界なんて紙くずになる。
……それにぶっちゃければコキリの料理より美味しかった。
生活環境がある程度整っているのは当たり前、材料や調味料もたくさん手に入るので本来の味よりもやはり味付けされたもののほうが味覚的にも満足感が違った。
食べながら辺りを探すが、緑の帽子を被った子どもを見つけてもリンクと間違えることがあったりして、
だいぶ人混みに疲れた。
ちょっと恐いけれど……路地裏に逃げよう。
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