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危機一髪





* * * *



目の前にはギョロついた目、手に持っているのはあの硬い殻に通用するか解らないデクの弾。

ユキセがチビゴーマとゴーマの攻撃によって壁にぶつかってから全然動かない。

そしてゴーマは余裕綽々とユキセに止めを刺すためにゆっくり近づいていった。



「姉ちゃん……!!!」



何度も叫んだ。

逃げろ、動けと。

もしかしてもう死んで…………急いでその最悪な考えを打ち消す。
本当はここで動いてれば、あの時囮になる事を止めさせればこんな事にならなかったかもしれない。

持っていたパチンコを思い出し、ゴーマに当てて注意をひいた。



「こっちだバケモノ!!」



震える脚を牽制してゴーマを睨み付ける。こちらに狙いを定めたゴーマは方向を変えてこっちに向かってきた。

何時でも逃げる準備は出来てる……けどさっきからミドの声が聞こえない。
こちらに引き付けた時に文句の一つでも言われるかと思ったのに。
ゴーマの目前でミドが剣を構えながら恐怖に固まってるのが見えた。怖くて脚が震えて動かないらしい。



「危ない!!」



ミドの手を引いて攻撃を避けた。

ミドがいた場所にはゴーマの爪で陥没した地面があった。
ついでに剣も何処かへと投げ出されたようだ。



「あぶねぇなもう、固まってんじゃねーよ!!」

「る、るせーな、お節介!!」

《喧嘩してる場合!?》



助けてあげたにも関わらず減らず口を叩くミドを見てもう助けんの止めようかなと思っても許されるはず。

感謝する、ていうのを覚えて欲しいよ、全く…。


パチンコを使ってゴーマに攻撃するけど全然効果が無くて、じりじりと後ろに後退した。

すると、後ろに纏わりつくものがあり身動きが取れなくなった。
蜘蛛の巣に引っかかったようだ。粘っこい糸が動くほど貼り付いて身動きが取れないし、気持ち悪い



「あッ、くそっ……!!」



段々近づいてくるゴーマに弾を当てるがどれも効いて無くてついに最後の一弾しか無くなった。


姉ちゃんも俺もミドももうだめかもしれない……。


デクの樹サマ…………!!




「うぉりゃああ!!」



ミドが声を上げてゴーマに石を投げていた。けれど石は的を外れて色んな場所に転がっていった。
本当は怖いはずなのに……自分の身体に鞭打って必死に立ち向かっていた。

まだミドは諦めて無かった。



「ミド……」





その時、





『ミド!!目玉を狙え!!』



目の前に希望が少しずつ見えてきた。



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あきゅろす。
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