たからさがし
「今度こそ遊ぶぞー!」
そう張り切りながらリンクは腰に手を付けて人差し指を天高く突きあげ格好つけながら宣言した。
『で……、なにするの?』
今の歳じゃ皆鬼ごっことかかくれんぼなんて体力使う遊びはしなく、カラオケかゲーセンだからなぁ。
リンクとサリアとで悩んでいるとサリアがぽんっと思いついたように口を開く。
「お宝探ししましょ!」
「お宝?」
コキリにそんなものあったっけ、とリンクは考える。
サリアが言うには誰かが持ち出したままなくしてしまったというのがお宝らしい。
ああ、あれか。もしかしてコキリの剣かな。
面白そう!ということでこの3人でお宝を探すことにした。
「迷いの森は怒られるから行けないし…」
「そもそも行けないからあるのはコキリの森かも」
「あ、そっか」
意外とサリアは冴えていて迷いの森以外ならここ、コキリの森しかないということで探すことにした。
え?あ、ごめんサリアちゃん何時も冴えてないっていう訳じゃないよ許して!
木に登ったり、屋根を見たりと色んな所を探したが見つからなかった。
うん、本当は場所知ってるんだけれどね……。
このもどかしさ……!
「見つからなかったね」
きょろきょろと辺りを見回す。
記憶上、デクの樹を北とすれば南あたりにあったような……。
歩き回るうちに、丸太やロープで作られたアスレチックのような広場にたどり着いた。
「ん?なんだろこの穴……」
リンクが指を指した人一人くらいなら入れる大きさの穴。大岩に隠れて見えなかったけどそんな所に秘密基地みたいな場所があったなんて。
そこの壁に穴があいてあり自分もぎりぎり入るかどうか…な大きさだった。
壁に耳を当てると何かが転がってる音がした。
『いってみる?』
「うえぇ!?………い、行くの?」
子供なら好奇心が出てくるところじゃないのか。未来を知る自分にとっては不安になるんだけど……。
まあまだ子供だからね。
そういう自分も子供だけども。
「なんだよ、恐くていけないのかぁ?」
小馬鹿にするような声が聞こえ振り向けばミドとその手下達がいた。
『ミドもたいがい暇ねぇ……』
「そうだ、なら先にミドに行ってもらいましょ?」
良い提案!と言わんばかりの笑みでミドを指名する。
「え、俺?」
「そう、ミドだけ!……やっぱ恐いから無理かなぁ」
挑発的な言葉もミドにとっては可愛い女の子のお願いらしい。
いつか尻に引かれるなぁ、いや既に引かれてるか。
ついでに剣とってきてくれないかなぁ………と思ったが流石にそれは酷かな。
しばらくするとミドの情けない悲鳴が聞こえた。
『……』
あれ絶対タイミング間違えたな。間違えなきゃ楽なのに。
『……このままにさせちゃおうか』
「え゛」
「そうしよ!」
「ちょっと二人とも……」
さすがに哀れに思ったのか、リンクがこのままでは可哀想だと訴えに出た。
いや、あれはお灸を据える形で良いんじゃないかと思ったんだけど。決してめんどくさい訳じゃないよ〜。
仕方なくリンクを押し込んで穴の中に入った。(ぎりぎりでちょっとくるしかった……)
穴から出てあの大岩が転がってる所を見る。
「あ!!ミド!」
『ん?あらあら追われてるし』
見事にミドは大岩に追われていた。うわ、あれでだいたい何周してるんだろ。
とりあえずしばらく観賞してから手を引っ張り救出した。
思ったよりつまらなかったね。
結局お宝はなく、けれど色んな所を見て回れたから楽しかった。
「結局なんもなくてつまんなあなぁ」
と呟いたリンクに何かないか考える。
……あ、手っ取り早くかつ楽しくやれる遊びがあった。
『あのさ、』
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