初恋は桜の中で
プロローグ4


 春風桜架(はるかぜおうか)

 春の陽だまりの様なレモンブロンド髪の青年の名前。

 授業開始を告げるチャイムが鳴り、校庭での思い出話は幕を閉じる。
 二年生の桜架は一夜達とは違う階に、クラスの違う桜子も「それじゃあね」と言って去って行った。


 桜架先輩。


 その名前を口の中で呟いて、鼓動が早まるのを感じる。

 桜の様に微笑む人だと思った。

 さらさら、と

 ひらひら、と

 儚く散りゆく春を彩る美しい花。


(天文部)

 放課後に行ってみようか。

 あの人に繋がるかもしれないその場所に。



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