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「痛む?」
「いえ…」
七緒の即答に、痛みはほとんど感じなかったのだろうと、春水に安堵の笑みが浮かぶ。
「良かった」
春水の深く響くような声に、七緒は自然に笑みが浮かんだ。
「隊長…」
「こら」
「え?」
「恋人に隊長はないでしょ?」
「え、えと…京楽さん…」
「こらこら」
「じゃ、じゃあ…春水…さん…」
「よろしい」
春水が笑みを浮かべて大きく頷く。
「七緒ちゃん…」
春水が口付けをする。腰がゆるやかに動き始める。
「あ…あっ、あん…すごい…ああっ」
七緒は喘ぎ、春水の逞しい背中に手を回ししがみつく。
「七緒ちゃん、気持ちいい?」
「いい…あっ、あ、いい…あっあん」
自分でも何を言っているのか、解っていないのだろう。喘ぎながらただ春水にきつく抱きついている。
少しずつ春水は激しい動きへと転じていく。
力強く激しい動きに、七緒は幾度か意識を飛ばしかける。
やがて、立て続けに高波が押し寄せるような感覚があり、高みへと誘われて、大きく弾けたのだった。
「七緒ちゃん…大丈夫かい?」
春水の胸に抱き寄せられるような格好で寄り添い、二人は横たわっていた。
「はい…」
「痛みはない?」
「…ちょっとだけ…」
今は痛みというよりも、ふわふわとした何処か頼りない感覚が残っている。
「とっても気持ちよかったよ。七緒ちゃんの中」
「…本当ですか?」
「うん、とーっても良かった」
頬を撫で、嬉しそうに感想を述べられて、七緒は照れくさいながらも嬉しくなってくる。
「七緒ちゃんの調子がよければ、もう一回愛し合いたいよ」
「……」
春水の言葉に七緒は照れながらも、断れない魅力を感じた。
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