◇BLEACH if…
2
「子供が安定するまで、黙っていたかったのですよ」
「慎重にも程があるっ!俺は少しでも早く聞きたかったぞ!」
 烈をきつく抱き締める。
「まだ、二週目なんですよ…、流産だってしかねない…」
「二週目?」
「二週間前に、抱いて頂きましたでしょう?その時の子供です」
「そ、そんな事が解るのか?」
「ええ、少し異変を感じたので、調べてみたのです…そうしたら…」
「流石は、四番隊隊長と誉めるべきか?」
「ふふ…、一応自分の健康管理も万全にしておりますから」
「いやはや、驚いた」
 抱き締めた妻を覗き込み、次いでお腹へと視線を移す。
「……ここに…俺とお前の子供がいるのか…」
「ええ…」
「……そうか…」
 十四郎はようやく笑みを浮かべた。
「嬉しいな…男の子かな、女の子かな?」
「まだまだ、これからですわよ」
 夫の早急さに、思わず微笑を浮かべる。
「……な、抱くのは無理でも添い寝くらいはいいだろう?」
「ええ」
 十四郎は嬉しくてたまらないらしい。何せ、友人の所にはぽろぽろと子供が生まれている。それに引き換え、自分の所はまだ一人もいない。
「…烈…」
「はい」
「丈夫な子供を産んでくれ」
「はい」
 まだこれから産み月まで十月もあるのだが、それでも十四郎の言葉は真剣だった。烈も夫の言葉の真意がわかるだけに、真面目に頷き返す。
「…それにしても、待ち遠しいな。早く顔が見たい」
「まだ、人の形にもなっていませんのに」
「それはそうなんだが…」
 十四郎がこれほどまでに、子供に対して強い思い入れがあったとは、烈は思ってもみなかった。普段から子供が欲しいと時折漏らすことがあったが。だが、烈としても、十四郎の為にも万全の状態で挑む必要があったのだ。

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