◇BLEACH if…
4
「おぎゃあああ」
「やたっ!生まれたっ!」
「おめでとう。浮竹」
「ああっ」
 赤子の声は聞こえるが、助産婦が出てこない。普通なら直ぐにでも知らせに出てくるはずなのだが…。
 己の体験から、春水が首をかしげていると…。
「ふぎゃあああ」
「ん?」
「あれ?ひょっとして…」
「おめでとうございます!浮竹隊長」
 助産婦が飛び出してきた。
「双子の、男の子と女の子です!」
「何っ!」
「ほれ、行って来い」
 春水が呆然としている十四郎の背を押す。
「あ、ああ」
「やれやれ、烈ちゃんにしてやられたね」
 烈がお腹の子が、双子だと知らぬはずはないのだ。ずっと夫に黙って、喜ばせようとしたのだろう。
「烈っ!良くやった!!ありがとう!」
「いいえ、それより、子供の顔を…」
「ああ。小さくて可愛いな…本当に可愛い…」
 十四郎は涙ぐんで、我が子を見つめる。小さな小さな生まれたての命。それも二つ。
「ええ、ちょっと普通より小さいのですけれど…」
「何、これから直ぐに大きくなるさ」
「…はい…」
「本当に、ありがとう、烈…」
「はい」
 妻の手をしっかりと握り締め、十四郎は礼を述べ、妻の汗を拭い、額へ口付けを送る。
「ゆっくり休んでくれ。直ぐに大変になるだろうしな」
「ええ」
 妻を労い、もう一度生まれたばかりの我が子たちを見つめる。
 懸命に、元気良く泣く我が子。

[*前へ][次へ#]

4/6ページ

[戻る]


あきゅろす。
無料HPエムペ!