◇BLEACH if…
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「なぁ…烈…」
「なんでしょう?」
 ここは、四番隊。烈の隊首室。二人卓へ向かい合わせにお茶を飲んでいた。
「……近頃、俺を避けていないか?」
「そんな事ありませんよ?」
「………じゃあ、今夜いいか?」
 十四郎は少しの逡巡の後、思い切って口に出した。
「今夜は…」
「……そうか…」
 言いよどむ烈に、十四郎はがっくりと肩を落とす。妻の顔を見ていられず視線をそらす。
「………ふぅ」
 烈が小さく溜息を吐く。十四郎の肩がぴくりと跳ねる。拳を握り締め、立ち上がる。
「…十四郎様?」
「……溜息を吐くほど嫌なら…、今夜は隊首室へ戻る」
 羽織を手にし玄関へと向う。
「……お待ち下さい」
「無理はいい」
 烈が穏やかに、十四郎を言葉で止める。
「…無理ではないんですが、お話を聞いていただけませんか?」
「……話?」
「はい、とても大切なお話です」
 烈は微笑を浮かべ、十四郎へ座るよう促す。
「…何だ」
 それでも妻の顔を見ようとはせず、顔をそらしながら先刻まで座っていた場所へ座りなおす。
「本当は、もう少し黙っていたかったのですが…」
「何を黙っているんだ」
「…子供ができたのです」
「…は?」
 烈の突然の報告に、十四郎は頭が回らなかった。目を大きく見開き、妻の顔を見つめる。
「私のお腹に、貴方と私の子供がいるのです」
「…本当か!?」
 十四郎は身を乗り出した。
「ですので、当分貴方に抱いていただく事ができないのです」
「…そんな事…、何でもっと早く言ってくれないんだっ!」

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あきゅろす。
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