◇BLEACH if…
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「…嬉しい、こんなに一杯!!ありがとう剣ちゃん!!」
やちるが喜んでくれたことに、剣八はホッとする。何せ自分で考えてやちるへと祝いの品を贈るのは初めてのことなのだ。
紅い薔薇は愛の花。それをやちるが知ったのは何時だったか。だが、花屋など見に行く習慣などないし、どんな花か知らなかった。
「でも、どうしたの?」
「ん?お前が寝て暇だったからな。何か良いもんないかと思ってな…。直ぐ其処に花屋があったから、女に贈るには何が良いんだっつったら、これをな」
「そうなんだー!」
店にある分の薔薇を全て使って花束を作ってもらい、眠るやちるの横に置いてみたのだが、物足りないと思った。花屋に尸魂街の花屋全部から薔薇を集めさせ、届く端からやちるの元へと置きに来ていたのだ。
「剣ちゃん、本当にありがとう…」
宿から隊舎へと引き上げる際、隊員を呼び寄せ全ての薔薇をやちるの部屋へと届けさせる。
「ねえ、剣ちゃん」
「ん?」
「このバラ分だけあたしを愛してるってこと?」
やちるは薔薇の花束を抱えたまま、剣八に覗き込むようにして尋ねる。
「……足りるかよ」
剣八はやちるから視線を身体ごと外し、小さく呟く。
「…剣ちゃん!耳真っ赤だよ!!」
やちるは花束を投げ出し、剣八の背中へダイブする。
「剣ちゃん、だーいすき!!ありがと!!」
背中から身を乗り出し、剣八の頬へとキスの雨を降らせる。
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