銀色の空に
3
──…
ジェイソン(蒼夜)が己の皮を剥ぐ五秒前。
女性群の喉が鳴った。
………何故だ。
『くーるっ、きっとくる!きっとくる!』
「何か違うと思うよそれ」
かの有名な曲のサビをジェイソンの隣で歌い、悠に突っ込まれるがそこは無視で。
そしてジェイソンが皮(面)に手をかけ、そっと外す。
この次にはあの美しい顔が登場するんだな・・
「………ふぅ」
『……………あれ』
「あら?」
「・・・意味無しじゃねぇか」
ジェイソンの皮の下にはなんとまぁ
鬼の面。
何度も悪いが、女性群は若干・・・いやもうかなり引いている。
その鬼、蒼夜の怒った時に後ろにいるよ。うん
『ウケ狙ってんなら大いに間違っている気がするぞお前』
「暑いなコレ」
『取れよッ!!!』
こいつはいつからボケるようになったんだ。
そんな疑問も束の間、次の瞬間には既に“蒼夜”が見えていた。
女性群、感激のあまり倒れるわ泣くわ顔赤いわ大変。
『俺蒼夜の事がワカラナイ』
「俺は陸の事がワカル」
『対抗しなくて良いんだよ阿呆』
悠は人選を間違ったな。
女性群は蒼夜しか見てないぞ。
『あ、そいつ誰』
「今更!?」
気付くのが遅すぎたが、男性群の中に一名見知らぬ奴等が座っている。
一番端に座る黒崎と、黒崎の隣の隣に座る山下に挟まれ冷や汗をかいている男。
お願いだから帰らせてあげて
「六人は多かったかな〜?……帰って良いよ?」
「失礼しました…っ」
っておいおいお前の舎弟か何かなのか今のは。
それとも単純に怖がってたのか。
何にせよ五対六って普通に合わねーよなオイ。
『ふぇ〜』
「可愛い声出してたら襲っちゃうよ」
『待て待て今のに可愛い要素は無かった筈だ』
「鈍子ちゃん♪」
『にぶっ……』
最近やけに悠が桐矢に見えてしまう。
病気かよ
帰りたいなんてぼやいていると、人数関係無しに自己紹介が開始された。
漸く、合コンらしい合コンの始まりだ。
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