銀色の空に
ジェイソン出現
『ジェイソン…?』
「違う」
『どう見たってジェイソンだ』
act.9 合コン
本日は晴れ。
そして日曜日。
そしてそして、
『……合コン』
俺は昨日、少しノリ気だった合コンに、行く気力を失ってしまった。
理由なんて悠から来たメールを見れば分かる事。
もう一度メール文を読み返すと、どっとテンションが落ちていく。
『何で、何で……・っ』
────────
Time.08:16
From.風間 悠
Sub.無題
─
おはよう
今日の合コン忘れて無いよね?
メンバーは皆揃えておいたけど、陸の知らない子が何人かいるから!
後、6対6だから〜♪
因みに、青蘭女学院のちょっと不良っぽい女の子達だよー
その中の三人は陸狙いだって!
-END-
やたらと長い文の最終列の文字。
俺狙い。
勘弁してくれよ、ちゃちゃっと話して終わらせるつもりだったのに
三人だなんて。
『今日は行けなくなった…、と』
兎に角面倒なので、今日の所は断る事にした。
その数秒後、
─
Sub.Re:無題
─
は?行かないの?
行くよね
─
後半、絵文字も無しで送られた文は何とも迫力があり、無視も出来ずに行きますと返事をしてしまった。
何だか桐矢と被って仕方がないんだが。
─────……・
カチャッ──
合コンと言えば、やはり一番に出てくるのは
“カラオケ”
では無いだろうか。
待ち合わせ場所は駅近くのカラオケボックスの、103号室。
扉を開けると、見覚えの有る顔が一つ。
いや、三つ・・・?
『黒崎…?と、山下・・』
「!…月城お前っ」
「月城!」
中には既に女性群が揃っており、後は俺ともう一人だけだ。
意外な面子に驚きながら、山下を見てふと思い出す。
『あぁっ!猫ッ!!』
「ねこ…?・・・あ!あいつか。大丈夫だ、元気に走り回ってるぜ」
『悪い、今度取りに行くから』
申し訳無い様に頭を下げれば、女性群の声がだんだんと大きくなっていく。
「あっ…、月城・・さん」
『え?……あー、』
じっと見つめてくる数人の可愛らしい女性を見て、誰だと言った様に首を傾げる。
いやだって見覚えが無いし…
「私が一方的に知ってるだけで、だから、あの…っ・・はい…」
『大丈夫?顔赤いけど熱でもある・・?』
「あ、いえいえいえいえっ!!熱なんて、月城さんに会えたから…」
とぶつぶつ呟く女の子に微笑み、目があった悠の隣に座る。
そんな然り気無い俺の行動に何を思ったのか、悠が気付かれない様にぴったりと俺の横にくっついてきた。
『悠、暑いから』
「大丈夫大丈夫♪」
『何がだよ』
そんな会話をしていると、また扉の開く音がした。
「───ッチ」
入って来たのは、何だかとっても…強そうな?
いや、強面?
『ジェイソンかてめーは』
ジェイソンが居た。
おい、笑う所じゃねーよ。
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