銀色の空に 4 □ 「ねーちゃん、退院おめでと〜ッ!」 俺の腕も大体治ってきた頃、既に退院が決まっていて、漸く退院出来た。 入院の最中、楓や黒崎に何度も女だとバレそうだったけど、蒼夜や冦吏がカバーしてくれて何とかなった。 そして今、俗に言う退院祝いをしている。 『大袈裟だって…』 「んな事無い無いっ!陸が居なくて俺勃たなくて大変だっ『黙れ』……ハイ」 「出所祝いだな〜っ」 『それは違う気がする』 ボケを言う父に突っ込みを入れ、不意に気付く。 携帯が緑色の光を放ち、小さく動いている事に。 『…悠?』 ディスプレイには“悠”の文字。 電話では無くメールだ。 ─────────── Time. 21:16 From.風間 悠 Sub.退院おめでとうっ! ─ 今度合コン行こう? -END- ────────── 退院、合コン どうやったら繋がるんだよ。 「ねーちゃん、どったの?」 『へ?いや、…何でも無い』 「はい、ねえちゃんはコーラね〜」 『あぁ、ありがと』 それにしても、桐矢にバレると厄介だな… 横目で桐矢を見て、取り敢えず今はメールを無視しておく事にした。 だって、バレたら絶対ガミガミうるさいし厄介だもん。 『兄貴、女の口説き方教えて』 「ぶふっ!」 『冗談に決まってんだろっ!』 「だっ、おま、…ゴホッ・・女ッ…った」 『先ず落ち着けよ』 少し本気な冗談を言い、コーラをぐいぐい含むと更に鳴る着信。 緑色に光った後、赤色に光り始めるそれ。 赤は確か、黒崎だ。 ─────────── Time. 21:24 From.風間 悠 Sub.Re:退院おめでとうっ! ─ 行こうよーっ! お願い!!! -END- ────────── びっくりマークの絵文字を強調し、駄々を捏ねる悠のメール文を見て軽く苦笑する。 選択ボタンの右を押すと、黒崎の文に変わった。 ─────────── Time. 21:25 From.黒崎 Sub.無題 ─ 緑の馬鹿面に何言われても無視しとけよ。 -END- ────────── なぜ分かる 「陸〜?久しぶりの携帯だからって、今日くらい構ってよ〜」 『あのね母さん、いい加減子離れしてちょーだい』 「あらあらあらあら?」 『ごめん、目で殺そうとしないで』 母に射殺されになった所で、指を器用に動かしメール文を打つ。 絵文字も無しの至ってシンプルな文だが、それで充分だろう。 『…了解、と』 ただそれだけを打ち、黒崎にメールを送信する。 が ─────────── Time. 21:32 From.風間 悠 Sub.Re2:退院おめでとうっ! ─ ほんとに!? ありがとー!!! 今週の日曜日の3時ねっ! ドタキャンは駄目! -END- ────────── 宛先を、見事に 『間違った…っ』 今週の日曜って、明日じゃねーかよ!! そんなこんなで、ぼちぼち明日の用意をする俺。 実は結構ノリ気だったりした。 To be continued.. [*前へ] [戻る] |