銀色の空に
4
保健室の前に着くなり、何も考えずにおもっくそ扉を開けた。
そして俺は後悔する。
「あぁ、意外に早かったね。陸くん」
保健医が満面の笑みで俺を迎えてくれたから。
それはそれで、……怖い。
『か、楓は・・・』
「陸く〜ん!!心配して見に来てくれたの?」
ひょこっとベッドのカーテンから頭を出した楓を凝視していれば、冦吏が言葉を発した。
「何やってんだお前は」
そして俺の隣にいた黒崎も、俺の耳元でボソッと言う。
「なぁ、あれ・・・・誰だよ」
今までとは明らかに違う雰囲気を持った保健医を見ながら言った。
俺が聞きてーよ
「陸くん、昨日ので分かったんだが…」
とってつもなく寒気がする。
嫌な予感が・・・
「やらないか?」
『違うだろ』
「ゴホッ・・すまない、私は君が好きみたいだ」
『はっはー、冗談は顔だけにしろよ』
そう言って、助けを求めるが如く黒崎の腕を強めに掴んだ。
直ぐに振り払われると思っていたが、何気に手を握ってくれた。
こやつ、なかなか可愛い…
『黒崎、付き合って』
「・・・はぁ?!」
『お嫁に来て良いよ』
「逆だろ」
この会話の最中、三人の視線がめちゃくちゃ怖くて痛かった。
こいつ等ほんと最強じゃねーか
『ごめん、黒崎がお嫁来るって』
「言ってねぇよ」
「陸くん、私のお嫁に来ないか?海外に行って式を挙げよう」
『黙れ』
楓とこいつは上手く行った。
けど、また
「好きだ」
『俺は嫌いだ』
変態が増えた。
俺って罪な・・女?
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