銀色の空に
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お互いに気付いている筈なのに、これを伝えないのは、まだ怖いから。
俺はきっと、今、陸といて今までで一番幸せだと思う。
陸が本当は俺をどう感じているかは分からない。
けど、多分
『だい・・す…』
あれは、嘘じゃない気がする。
あの続きは、お互いの覚悟が出来てから
絶対に聞く。
「離れたくないな…」
つい漏れた本音。
俺はいつからこんなに弱くなった?
いや、もしかしたらこれは進歩なのかもしれない。
過去の過ちを消す、人間になる為の
進歩。
陸、俺は・・・
絶対に消えたりしないから。
『蒼夜』
その笑顔は、俺だけに向けて欲しい。
慎さんから言われた様に
──もしあいつに会ったら、守ってやってくれ
──本当は崩れやすい奴だから
分かってたんだろ?
自分の死が近い事なんて。
だから、俺に任せたのか?
だから、銀色の空の話をしたのか?
銀色の空は・・陸だったんだろ?
何にせよ、
あんた以上に、
愛してみせるから。
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