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銀色の空に
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「陸、とか言ったね」



「陸は関係無い」




話し合おうと言われて来てみれば陸の話で、意味が分からなかった。

変わったのは、あの張り付けた笑みが無い事だけ。





「教えられたよ」



「・・・?」




何の話しかが分からなくて、首を傾げた。





「愛情、苦痛、孤独や悩み、全部言い当てられたよ。」


「陸、が?」





あの時、逃げたんじゃなくて、こいつと話をつけに行ってくれてた?





「感情を表すだけで伝わる、無理にしなくても、伝えれば良い…そうなのか?」




兄さんのこんな表情を見たのは初めてだ。




「すまなかった…」




嘘だろ?とか、そんな言葉がぴったりだろう。

こいつが謝るなんて…けど、




「・・・・・お、れは」





俺は、兄さんを恨んでない。




「ただ、怖かった…恐かった。恨んでない。」



「・・・・恨んでない?」




「恨んでない、兄さんの言葉や、行動やあの作った笑顔が恐かったんだ。」





逃げてばかりで立ち向かおうともしなかった。





「そう、か・・、もう、これからは気を付ける」



「………」





陸は、こんな簡単に俺を救ってくれた?





「お帰り、楓」




その笑顔に、自然と涙が溢れる。




「ただ、ま・・ッにいさ…っ」




優しい兄さんが、戻って来た。


やっぱり俺の選んだ奴だよ

陸くん・・・・・。


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