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銀色の空に
3









『俺、間違った事は言ってないよな。』





俺だって怒るときは怒るし、むかつく時はむかつく。

けど、今朝のは謝らないとな。



─ガラッ




『春樹、』



「!」




三年の教室で、罰の悪そうに立つ俺。





『ごめ、ん』




「・・ほんっとにお前は可愛んだからなぁ!!」





グリグリと頭をグーで挟まれて、めちゃくちゃ頭が痛くなった。





『蒼夜ん家で風呂入ったら眠くなって…』



「風呂入ったぁあ?!」





とまた怒鳴られる。





「じゃあ、もうバレたのか?」



『ふぁい』





間抜けな返事と八の字の眉。

きっと間抜けな顔をしていると思う。





「あーもう俺の可愛い陸がぁあぁぁあッ!!」



『すんません…相楽さん笑って無いで助けて下さい』



「俺を巻き込むな」





兄貴は全然怒ってなくて、寧ろ調子に乗り出してた。

あー、今日蒼夜ん家どうしよ。





『って事で、今日も蒼夜ん家泊まるんで』





すました顔をして足早に教室をでると、数秒後に怒鳴り声が聞こえたとか。










「帰るぞ」


楓は教室には戻って来なかった。

その代わり、優しい声が降ってきた。





『帰ろ』



帰る方向は蒼夜の家だけど、最初は自分の家。




ガチャッ──





『上がって良いよ?』



「・・・良いのか?」




『良いよ、ほら』





着くなり、なかなか入ってこない蒼夜の手を引っ張って中に無理矢理引きずりこんだ。





『狭いけどねー』





と言っても二階建て一軒家の九部屋で、なかなか広いんだけどね。





「あら〜陸昨日は心配………おとーさぁんっ!!陸が男の子連れて来たわよぉっ!!!」




『母さんっ』





玄関前であれやこれや言われ、とりあえずリビングへ移動する事になった。





「いけてるめんずだな」




「イケメンって言うのよ」




「…ありがとうございます・・」




個性的、だな

と耳元で言われて苦笑しか出来なかった。


いやまぁ、個性的だよな……




『母さん、俺今日泊まりだから。』



「・・・・男の家に泊まりだと?」




それに反応したのは母では無く父。

珍しい事に表情が険しい。




「あ…昨日は連れ出してすいませんでした。」



「・・・・ほぉ」




『何で娘さんを下さい風なの?』





ボケながらも話を聞けば、蒼夜は意外にも礼儀正しい。


やはり坊っちゃん。





『ん、蒼夜、部屋来る?』



「それは簡単に言って良いもんか?」




『え、分かんないけど蒼夜だし』




(男として見られてるのか?)




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あきゅろす。
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