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銀色の空に
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──ガンッ!!




『ふざけんな!!』




「愛情を注ぎ込んで何が悪い?」




『愛情、だ?一方的にやるそれが愛情なのかよっ!!相手が、楓が苦しむのが愛情か?!!あ゙!?』



いっつも笑ってると思ってた楓が、こんなにも苦しい思いをしてて、気付いてやれなかった自分にも腹が立って。





「楓だって最中はよく鳴いてるよ、フフッ」




『…泣いてんだよッ!!詰め込んで、詰め込みすぎて、自分追い込んで・・・俺も、何で気付かねんだよ…っ』



一人で熱くなってどうすんだよ。


確かに震えて、泣いてたあの声。

掴んでいたそいつの襟首は、皺だらけになっている。




『あんたさぁ』




その場に気力無しに胡座をかき、そいつを見上げた。





『心から笑った事ある?』




一瞬だけ崩した表情からは、悲痛が読み取れた。

孤独と、逸れた愛情。






『何を隠す必要があるの?孤立する理由は何?その責任感は?』



『俺なんてさ、きついの自分だけじゃないって、へらへら笑って、皆笑わせて』





その一瞬だけでも安らかになれるならって。





『化け狐なんてさぁ、好きに呼んでいんだよ。そんだけきっかけあるって事だろ?』



「・・・・私は」




『愛情の表現方法なんて沢山あるけどね、ただ素直に褒めたり、撫でたり、素直に受け止めてやったり、そんな簡単な事でいんだよ』






気付けなかった俺も、今はわかるよ。





『あんただって、苦しいだろ?』



「……ッ」




『責任感とか、そんなんで重み感じて、愛情が分かんなくなった?』





笑顔さえ、作れなくなった?





「お前には何もっ」



『笑えよ』




──練習から始めようぜ。





『優しく、お帰りとか、いってらっしゃいとか、素直な気持ちぶちまけたら良いんだよ。』




「・・・・何でこの短時間で俺の気持ちが分かる?」




──時間じゃねぇ、心だ。



『時間なんて要らない。心の問題。』



「…っ……こんなガキに・・」




『ガキだから分かるんだ。ま、良く考えなよ』




考えて駄目だったら
俺がぶっ飛ばしてやる。


──ガラッ





『まず、笑う事!・・じゃあな』




って笑えるかっつーの。

馬鹿か俺は



去り際に聞こえた微かな笑い声は、空耳じゃ無いと信じたいけど。



___




PRRRR─…



ビクッ




「・・・・も、しもし」



「…楓…話し合おう・・」




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