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銀色の空に
意味




あんた、最低だな


なんだと?




  act.4 意味





「また、やられたいのか?」



「陸の前では言うな」





怯えたような、強がるような、冷たい声で放った言葉。

だけど、この場を離れちゃいけない気がした。





「お前のお気に入り、か?」



「ッ!」




世に、こんなにも冷たい目が出来る奴がいたなんて。




「化け狐が、私の弟に…」



化け狐、化け狐

俺の頭を支配して止まなかったその言葉。




『弟?』



「ふっ、義理のな」




何かが繋がった気がする。




『あんた、最低だね』



「・・・・・最低?」





楓は俯いたまま何も言わない。




『愛情って、何だか分かるか?』



「なんだと?」




俺は無意識に鋭く目を光らせて、本来グレーである瞳が、光で紅く変化していた。




『今のあんたには分かんないだろうね。』





それだけ言い残し、楓の手を引っ張った。


未だに俯いて顔色の悪い楓を、仕方無く蒼夜の居る空き教室の隣の教室へ運ぶ。




『ここ風通し良いから、少しは落ち着くと思うよ。』


「引いたよね」




やっと口を開いた楓の声は、とても暗いもので・・





『引く?』



「義理の兄貴に抱かれてるなんて、しかも男同士で、休みの日に何回も何回も……」




弾けたような、砕けたような

怒り?哀しみ?笑い?苦痛?

分からないけど、おかしな感情が沸いてきた気がする。





『何で?それは無理矢理?それとも好きで?』



「好きでなんて行かね、よッ」




体操座りで、顔を隠し込む楓の姿は、とても痛々しい。



完全に俺の中での弾けた気がした。


気付いた時には楓置いて、保健室に足を運んでて。




「………終わっ、た・・ッ」




一人、苦痛に苦しむ楓。

絶対許せねぇ…っ

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あきゅろす。
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