銀色の空に
3
□
『さーらーしぃ!!』
「あ?あぁ、あるぞ。」
一通り落ち着いて、今は学校に登校する準備をしている。
サラシも無いまま登校する訳にもいかないので、叫んでみたら蒼夜が持ってた。
『何で持ってんの?』
「中学ん時、特攻服着たときにな。」
『不良じゃん』
脱衣所でサラシを巻いてみるが、いつも使っているのと少し違って上手く巻けない…
仕方ない、そう思い蒼夜の名前を叫んだ。
「どうし・・・た、」
『ごめん、コレ巻きにくくて・・、巻いて?』
蒼夜に借りたジャージのズボンを履き、上は巻きかけのサラシのみ。
蒼夜にとっては最大の拷問だ。
「お前、…俺だって男なんだから・・」
『ん、だって蒼夜しか居ないもん』
「・・・ハァ、分かった」
深い溜め息をした後、背後から巻けば良いものを、ちゃっかり前方から巻く蒼夜。
こやつも男だ。
「細い・・、しっかりくびれもあるな」
『そうかぁ?最近太ったけどな…』
「もっと食え」
『ん、食う』
そんな他愛ない話をして、手際よくサラシを巻いて行く蒼夜をじっと見詰める陸だった。
蒼夜は非常にその視線が気になってやりにくかったとか。
[*前へ][次へ#]
[戻る]
[小説ナビ|小説大賞]
無料HPエムペ!