銀色の空に
4
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久々に見た弟の笑顔。
その隣には、あの子がいて、蒼夜は凄く楽しそうだった。
あいつが笑わなくなったのはいつからだった?
中学に上がって、やんちゃして、慎が現れて。
そん時のあいつは活き活きしていた。
慎がいなくなって、更に闇に入り込んで、影にまみれて生きていたあいつ。
白銀の髪に、今はグレーの瞳。
月城、陸。
かつて化け狐と言われた少女。
今ではあんなに明るくて、影なんて見えなかった。
慎はあの子を愛してた。
心から幸せを願って…、あの笑顔が消えないように。
それに応える様に笑うあの子。
蒼夜を、変えてくれる。
そんな気がした。
「慎、少しだけ、陸ちゃん貸してな」
そして、小さな風が吹く。
───…少しだけ、だぜ?
そんな声が、風の中に散らばって行った気がした。
To be continued..
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