銀色の空に
3
□
ぷらぷらーっとまた歩き、着いた先は学校の門前。
『用事無いし』
「あ?陸?」
ボケッと門を眺めていると、後ろから声が掛かった。
『冦吏!』
「何してんだ?」
振り向けば冦吏、手にはコンビニ袋をぶら下げている。
『んー、ブラブラしてたら何かここ来てた〜』
今日あちぃ〜、と冦吏に抱き着く様に寄り掛かる。
「!、お前胸!!」
『こうちゃんのえっち〜』
「やめれ」
べりっ、と俺を引き離してじろじろ人の事を見ている。
「黒高の奴等になるべく会わねぇ様に、早く帰れ。」
『さっき黒崎と山下と濱崎に会った〜』
「………ハァ」
『何よこうちゃん』
深い溜め息をし、俺を睨む様に見てくる寇吏。
ちょっとだけ怖いとか思ったなんて言わねぇからな!
「お前結構あんだから、気を付けろよ」
『心配ありがと〜!お礼にちゅーしたげようか?』
「あぁ、してくれ」
『いやだから怖いって』
覗けば本気、と目の中に書いてあるんじゃ無いかと言う程見つめられる。
これは怖い
『頬っぺで許してね』
そう言って軽く頬にキスをすると、優越感に浸っているであろう寇吏と目が合う。
「俺からもな」
『ややや、良いから!!良いからね!うん、全然そんな…』
抵抗も虚しく、首にチュッチュッとキスをされる。
あれだ、キッスマークだな
キッスマークだよなコレ
『ぁ…ッ、俺が首弱いの・・知ってて・・・っ』
「どーだかなぁ?」
むっかつく、楓の次にむかつく野郎だこいつは
『ぅ、っん』
「いつの間にこんな大人になったんだかな」
『うっせーよバカ』
そして気が済んだのか、身を引いて俺の首を見てニヤけながら、ぽてぽて歩き始める冦吏だった。
『やられた……』
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