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銀色の空に
休日




姉ちゃん、兄貴

き、桐矢、よっ・よせ…ッ


  act.1 休日




昨日、蒼夜に過去の事を話してからちょっと恥ずかしかった俺は

あの後軽くお礼を言って直ぐ様、あの場から退散した。



んで、今日は日曜日なんだけど・・




「ふふ、美味しい?」



『美味しい・・。』



「姉ちゃん、俺のも食べて?てゆか、俺を食べて?」




俺は今、非常に、ひっじょーに困っている。


今日は日曜日でゆっくり出来る〜、と思ったのも束の間。

朝から叩き起こされ何かと思えば朝食の味見。

そして桐矢まで作ったと言う事でそれの味見も。




『ゔっ…桐、コレ何?』



「ん?えっと・・、鍋に人参と玉葱とじゃがいもを切って入れて、ダシ入れて塩入れて、味噌汁溶いて…」




あれ?意外に普通なもの入れてるんだ。

何でこんな味・・・?




「それから、マヨネーズとケチャップを溶いて、バターで風味出して、コーラ入れて炭酸出して・・えと、最後にミキサーにかけたバナナを入れたよ」


『このネチャネチャしてるのってバナナ…』


「うんっ!俺のピーーをイメージしてッ」





そう聞いた途端、すかさず口の中の液体(と言う名の毒物)を慌てて洗面所で吐き出した。

ピーー、の部分は白いアレだよ…ほら・・・オェ…




『ん、母さん、今後一切桐矢をキッチンに立たせないで』



「え〜っ!!兄貴用のも作ったのにっ」



『・・・何入れた?』




キッチンの鍋に入っている液体がポコポコ怪しく泡立っているのは気のせいか?


紫色に見えるのは俺だけなのか?なぁ、なぁ?





「えっと、まずピーーを入れてピーー混ぜてピーーしてピーー煮込むでしょ?それからすかさずピーーを加えて十分混ぜ続けて、その後ピーー、ピーーでピーーになって、最後に洗剤っ!」




『捨てなさい。』




どんな恨みがあるんだ、どんな恨みを買ったんだ春樹っ!!


洗剤っ、なんてそんな爽やかな笑顔で言われても困るんだよッ




「…陸〜、おはよ」



『あっ、兄貴。タイミング悪いねほんと』



「お・に・い・・ちゃ〜ん!!」



ようやく起きた春樹がリビングに顔を出し、ぬぼーっと俺に挨拶している所を桐矢が飛び蹴りでお迎え。




「っ、朝からお前はッ!!!!」



「はい、朝ごはんっ!」




出た、出てしまった怪しい汚ぶっ…ゴフンッ、味噌汁が。

味噌汁の具なんて一切入っていないのだがな。




「コレ、食える?」




ぶっちゃけ言うと、食えない。

食えたもんじゃないと思う、うん。




「食えよ、兄貴」



「・・・・いただきます」



食うのかっ!?お前は死を目の前にしているのに、食うのか!!!?


──ズルッ



「ゴブフッ」



『兄貴っ!?』




突如血を吹き出し倒れる兄。
それを見下す弟。

何事も無いように微笑んでいる母。

どうなってんだよこの家




『えと、救急車!!』




そう叫んでいると、ムクッと起き上がった春樹。




「口ん中切った。つか、食えねぇ」


パコーンッ!!



『紛らわしいんだよてめぇは!!』



「だってコレ剃刀混じってたんだもん」


桐矢ぁああ!!!




そして母さんの味噌汁を幸せそうに飲む春樹だった。

その後、起きてきた父が処分し忘れたあの毒物を寝ぼけ半分で飲み、高熱を出し寝込んだとか。



『ど、どんまい……』



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あきゅろす。
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