銀色の空に
4
□
『……………』
「〜〜♪」
「………ッチ」
何でこんな空気になるんだろう。
こいつのせいだ。
絶対こいつのせいだ。
「〜〜♪、ん?何?陸くんっ、俺に惚れちゃった?」
『それなら寇吏の方がまだ良いです。』
「ふーん」
何か、こいつめちゃくちゃ苦手だ。
嫌いになれないけど苦手だ。
「陸、それで…春樹さんも来てんのか?」
『うん、来てるよ』
「あ〜っ!俺もタメ口が良い〜!!」
紳士的に、って母さんから言われてるんだが。
──バァンッ!!
そんな事を考えていたら、教室の扉が物凄い勢いで開かれた。
「もう来たね〜」
「んな簡単に広がるか?」
『何の話し?』
なんて疑問符をぽんぽん浮かせていると、なかなかがたいの良い男が教室に入ってきた。
『あーぁ、扉が可哀想で』
「てめぇか、月城の弟は」
話しは最後までさせてくれ。
てか、俺を狙って来たとかなのか?
「あ、君確か〜、三年の?」
「あぁ。三年の相楽だ。」
喧嘩を売りに来た。
怠慢を張りに来た。
どっちにせよ都合が悪い。
ほら、寇吏顔怖いし。
『僕に何か?』
と、途端に耳元に顔を寄せてきた。
「兄貴が会いたいと。」
『・・・・・・は?ぇ、あ、えと、あの』
「てめぇの兄貴が呼んでんだよ。キスしたいだのヤりてぇだの陸だのどうだの、ッチ」
「陸くんお兄さんとシちゃったの!?」
『シてねぇ!!』
あぁ、俺の兄貴は今日から変態呼ばわりだ。
そしてその弟(実は妹)の俺も………
『すいません、兄はおつむが弱くて……』
「今の春樹さん聞いたら泣くな。」
『ざまぁ』
「うっわ、お前今の顔悪役だぞ」
冦吏と会話をして、相楽さんと目を合わせた。
「とりあえず着いてこい」
その相楽さんの表情は、とても柔らかいもので。
悪い人じゃ無いみたい。
『はい』
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