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銀色の空に
4






『……………』


「〜〜♪」


「………ッチ」




何でこんな空気になるんだろう。

こいつのせいだ。
絶対こいつのせいだ。




「〜〜♪、ん?何?陸くんっ、俺に惚れちゃった?」

『それなら寇吏の方がまだ良いです。』


「ふーん」



何か、こいつめちゃくちゃ苦手だ。

嫌いになれないけど苦手だ。



「陸、それで…春樹さんも来てんのか?」


『うん、来てるよ』


「あ〜っ!俺もタメ口が良い〜!!」



紳士的に、って母さんから言われてるんだが。


──バァンッ!!


そんな事を考えていたら、教室の扉が物凄い勢いで開かれた。



「もう来たね〜」


「んな簡単に広がるか?」


『何の話し?』



なんて疑問符をぽんぽん浮かせていると、なかなかがたいの良い男が教室に入ってきた。



『あーぁ、扉が可哀想で』


「てめぇか、月城の弟は」


話しは最後までさせてくれ。

てか、俺を狙って来たとかなのか?



「あ、君確か〜、三年の?」


「あぁ。三年の相楽だ。」


喧嘩を売りに来た。

怠慢を張りに来た。

どっちにせよ都合が悪い。

ほら、寇吏顔怖いし。



『僕に何か?』


と、途端に耳元に顔を寄せてきた。



「兄貴が会いたいと。」


『・・・・・・は?ぇ、あ、えと、あの』


「てめぇの兄貴が呼んでんだよ。キスしたいだのヤりてぇだの陸だのどうだの、ッチ」


「陸くんお兄さんとシちゃったの!?」


『シてねぇ!!』



あぁ、俺の兄貴は今日から変態呼ばわりだ。

そしてその弟(実は妹)の俺も………



『すいません、兄はおつむが弱くて……』


「今の春樹さん聞いたら泣くな。」


『ざまぁ』


「うっわ、お前今の顔悪役だぞ」



冦吏と会話をして、相楽さんと目を合わせた。



「とりあえず着いてこい」



その相楽さんの表情は、とても柔らかいもので。


悪い人じゃ無いみたい。



『はい』





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