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無双の短編
放 【石田三成】
暗く長い廊下
今日も一人歩く。
その先に待つのは

不快感のみ。




こわい

怖い

恐い

助けて




暗く長い廊下
越えて向かう先は
薄明かりのついた
小さな、部屋。

「やっと来たか」





己の欲を満たすため
気高くいなければならないはずの者が
薄汚い生物に変わる





ここから逃げ出したい

でも
逃げ出すことは出来ない



言いなりになどなりたくない

でも
逆らうことは出来ない





助けて







声に出来ない悲鳴をあげる。
猿轡を噛まされて。

動かない四肢で逃げようとする。
柱に縛られ固定されて。

顔だけで悦びを示す。
そうしなければ生きていけないから。

不快感が身体を包む。
それが俺の運命だから…。



誰か

助けて

ここから




放して









「貴方は…」

「わしゃあ秀吉。おみゃあ、わしのとこに来ないか?」

「…」


放してくれるなら、誰でもよかった。
たまたま、秀吉様だった。

もうあんな思いもしなかった。
俺をあの地獄から放してくれた。

だから、

敵を作ってでも

秀吉様を、

豊臣を守っていくと誓った。



あとがき

三成は、寺小姓をしていたそうで。
そして、寺小姓というのは……。
かわいそうに…!!!
しかも、豊臣を守ろうとした結果が
関が原…。
かわいそうに…ッ!!!
なんて報われない人なの…!?
と、思って書きました。




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