小説(短編&ドール小説) 紅茶専門喫茶店『ドミール』6 「お口に合ったようで安心しました」 ホッとしたように胸元に手を当てる。 「いつもありがとうございます、ウテナさん」 「いいえ、こちらこそ。実は閃琅さんが褒めて下さった試作品をメニューにすると、瞬く間に人気になるんですよ?」 「そうなんですか...?」 意外だと少し驚いた表情を見せる閃琅。 全く自覚がなかったようだ。 「そうなんです! ....フフッ」 と力強くウテナは頷く。 そう言ったあとに、驚く閃琅が面白いのかウテナは少し笑った。 「そういうものですかね...」 「そういうものですよ」 不思議そうな顔をしたままの閃琅に笑顔を崩す事無くそう返すウテナ。 「まぁ、お役に立てているのなら良かったです」 閃琅は自分にそう納得させた様子でウテナに笑い返した。 [*前へ] [戻る] |