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詩集
すり抜けた幸せ


 落ちた砂を掻き集めても

 もう掌には戻らない

 壊れた幸せは帰らない

 誰もが判っているのに

 どうして終わった時間を

 巻き戻そうとしてしまうのか

 失敗するたびに、寂しくなるのに

 セピア色の想い出は、今日も

 私を嘲笑うように、こんなにも目映い

 写真に写る、幸せそうな二人

 笑う貴方をそっとなぞって

 涙が溢れる

 温かで、冷たい、涙雨が今日も降る

 時を止めた恋心は

 今も、記憶の中の貴方を

 想い続けるの

 ねえ、想い出に棲む貴方に会いたい…

 こんなにも優しく、抱きしめてくれる

 その腕が、こんなにも切ないから……



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あきゅろす。
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