詩集
黒く塗り潰す
二人を引き離す朝がくる。
穢れた光を拒絶して、眠りにつく君。
純粋な夜に融け込む時を願いながら。
硝子の柩で待っている。
僕はただ君を見つめて。
君への恋しさを募らせる。
白濁の夜に泳ぐ無垢な姿態を。
夢見るような眼差しで。
一日の大半を愚かな光は世界を独占して。
愛しい君を奪う。
閉ざされた心を焼き尽くすだけの。
無意味な輝き。
その心を癒せもせず。
ただ傲慢さを見せる太陽。
僕らには必要のないもの。
その目映き光は、君を怯えるさせるだけで。
いっそ塗り潰されてしまえばいい。
穢れなき美しい黒に。
何もかも黒に染まってしまえば。
僕らは永遠に寄り添えるのに。
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