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憑波連の狂日
Chapter:1 狂日〜2日目〜
 翌日。
 指定された時間(ただし、琥露廼がいったモノまで細かくは無かった)に昨日の喫茶店へと連は向かった。
「あ、来た来た」
「連、遅いっ、その遅さに免じて、今からあんたのこと、芋腐れ人参キメラって呼んであげる」
―――時間通りに着いたのに、なんだこの罵詈雑言は、もう、連、いじけちゃうぞっ
「うわっ、連キモッ」
「連ってそういうタイプだったんだね・・・」
―――なんだ、こいつら、他人の地の文読む能力でも持ってんのか、エスパーか。
「で、今日は何するために決して暇ではない人間を呼びつけたんだ?」
「え?特に無いけど・・、っていうか、あんたに暇じゃない時間なんて存在するの?人は見かけによらないものね〜」
 なんか、琥露廼が勝手に関心していた。
「うん、そうだよね。なんかあたし連の知ってはいけない一面を知ってしまった気がする。」
 その一方で、梨莉衣がとても失礼に思えるような発言をしていた。
―――今日もこんな調子でいくのか。
「でさ、今日すること決めてないから、連、決めて」
「いや、ムリ」
「決・め・てっ★」
「可愛く言っても駄目!」
「うっふ〜ん、連くぅ〜ん、決めて頂戴よぉ〜ん」
「セクシーに言っても駄目!」
「フッ、役立たずめ」
「奮い立たせようとしても駄目!」
 先程から話に入れてなかった梨莉衣が、とてつもなく悲しそうにしているので、連は、話をふってみた。
「あっ、梨莉衣に聞けば良いんじゃねえの?」
「えっ、あたし・・・?」
「じゃあ、このヘタレに聞いてもしょうがないから梨莉衣に聞こうかな」
―――俺は何時、ヘタレになったんだ・・・
「アハッ、そうだねアハッ、う〜んアハッ、アハハハハハハハハッ葉ハ派ハハハはッ」
 話に久々に入れてもらった喜びからか、梨莉衣は病んでいる様だ。
「梨莉衣、怖っ、超コワッ」
 そういう琥露廼の方がある意味怖いんだけどな・・・、と連は思考したが、それを口にしたときの方が圧倒的に怖く、物理的に芋腐れ人参キメラにされそうだったので口外は避けた。
 梨莉衣は、以前病んだ調子で、こう発言した。
「アハッ、今※は△〒☆#〓◆♪±ようアハッ」
「なんか、本格的な病気なんじゃないか、梨莉衣」
「そうね、それじゃ、私が手術するから連、手伝って」
「琥露廼も一種の病気なんじゃないか」
「ていうかさ、今日は何するの?」
 なんか、いきなり梨莉衣が復活していた。
「ていうかさ、さっきイカれながらなんか言ってたよな、梨莉衣」
 同じ調子で返した。
「へ?なんのこと?別にアハッとかイカれてなかったよ」
 コイツ、完全に記憶あるな、と連と琥露廼が同じタイミングで思ったという。
「で、話戻すけど、何するの?連」
「結局、俺かよ・・・。うん、そうだな、異世界の人間とか探せば暇つぶしにはなるんじゃねえかな?」
 一瞬、琥露廼は意外な言葉に声も出ない様子だったが、数秒の後、興味深そうに声を大きくして、
「そう!それよ!いつもの街の中に非日常を探し出すなんて、楽しいに違いないし、きっと、何処かにそんな奴が存在する筈だと思ってたし、まるで一石二鳥じゃない!」
―――そこに比喩の言葉入れるのかい!
 ツッコミどころ満載な琥露廼の台詞だったが、本人の機嫌が良くなったので、このまま話を進めるとするか、と連は安堵した。



―数時間後
 あの後連ら一行は、居る筈のない存在を大きめの街を数時間も探し、足が棒の様になる程歩かされた結果、収穫無し、といった、時間を無駄にしたような気分になるような、そんな言葉に終わった。
 まだまだ、元気有り余る琥露廼と梨莉衣だったが、もう連が疲れ切っているということもあって、勝手に帰宅してしまった。
 だが、もうなんだかんだ言って、夕方になってしまっていた。
 連がそろそろ帰ろうと、歩き出した瞬間に、彼の右肩に手が置かれ、その手を置いたと思われる人物が言った。 
「貴方、あの娘とは、どんな関係なの?」
 連が、その声に反応し、振り向くと、そこには、派手な衣装を身に纏った少女が居た。



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あきゅろす。
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