ぶっちゃけ何処でも。 「だから王子んとこ来いって」 「いやいやー堕王子のことだから絶対喰うでしょー」 ――喰う? 「ししっ何言ってんの。 のこのこ男の部屋に来る奴が悪いんだし」 「ふざけんな逝け堕王子」 「ふざけんな死ねカエル」 「ちょ、ちょ、ストップストップ!」 いつの間にやら二人の闘争になり始めたこの談義。 もともと、私が一体どこで寝るかということを話合っていたはずなのに。 ベルの「カエルの部屋でいーじゃん」という最初の提案はフランに両断された。 ――そんなに嫌かよこの野郎。 「でもよ、ここは基本的に男ばっかだぜ? むしろ、俺らの誰か――幹部が預かんねーと」 「まぁ咲サンに限って襲われるなんてことはないでしょーけど」 うっさいわ。 「ねぇねぇ」 「はいー?何ですか色気ゼロ女ー…間違えました咲サン」 「ベル、このカエル殺していー?」 「おっけ」 「冗談ですーもうこれだから嫌なんですよー。 ジョークです、ジョーク」 「そう、聞き分けの悪い子供を諭すような喋りやめてくんないかな」 「聞き分けの悪い子供が目の前にいる限り無理ですねー」 「ああぁああぁぁあ」 ムッッッカつくなあ! こんのカエル、ヘビに食われて死ね! 「じゃなくて! そのー…」 「なんですかー。 照れるとか気持ち悪いんでハッキリ言ってくださいー」 「…。あの、ね。 私、スクが好きなんですよ」 「「は?」」 「いやだから、君たちのいるマンガの中ではスクアーロが、好きなんですよ」 きゃ、言っちゃった。 いや別にマンガの中だったし恋とかはしてないけどさ。 単純に、好きなんだよねアイツ。 うるせーこの上ないけど。 「…ふーん。 じゃっカス鮫の部屋でいんじゃね?」 「はいけってー」 「え、え、え」 いいのかよ。 いや、確かにスクアーロは今任務でいないとはさっき聞いたが…。 私はただ、会いたいな位の気持ちで言ったんだけどな。 「なんですかー不満なら堕王子と寝ますかー」 「お、ソレいい――」 「うわぁい嬉しくって涙出ちゃう!」 「……」 珍しくベルが不憫だった。 とにもかくにも、私は最愛のスクアーロ作戦隊長様の部屋をお借りすることになった。 可愛いよね、スクアーロ。ヘタレ鮫。 * * * * * 「ではでは」 「ん、いちおー気ィつけろよ」 「「大丈夫」」 「…なんで今カエルも言ったのよ」 「えー?ミー何か言いましたー?」 カエルは一回手術すべきだと思う、口を。 モスカみたいにしたらどうだ、え?プシュー。 「じゃ、オヤスミ。 なんかあったら王子に言えよ」 「うん」 ってアドレスとか知らねぇよ。 「まぁせいぜい処女くらいは守って下さいねー」 「君はお口のマナーを守ろうね」 それぞれ、言葉を残して去っていった。 二人とも、きっとあと数時間の単位で次の任務だろうに。 ちゃんと、残してくれた。 「――ふふ、やっぱ優しいんだなあ」 そんな独り言を虚無な部屋に響かせ、ベッドに寝転ぶ。 でも、人の匂いがほとんどしない。 やっぱりというかなんというか、生活感に欠けていた。 そんな、本当の静寂の中で。 私は微睡みに溶けていった―――。 * * * * * 「…う゛お゛ぉい、何なんだコイツは何なんだこの状況はぁあ゛!?」 「…んん」 静寂も懐かしき過去 (…襲えっつってんのかぁあ?) (………死ねばいいのに) (!?) (…クソガエル……) ((フランかぁ…って何でだぁああああ!)) fin. ・・・・・・・・・・・・・ リボーンめんばーずのキャラクターが分からなくなってきましたが…。 頑張ります、頑張りました(( ←→ [戻る] |