かみさまの休日。 なんだかんだ、明くる日。 「和奏サーン、起きてくださーい」 「んー…もぉ食べれない…」 「この寝言をまさか現実で言う人がいるとはー…。 じゃなくて、起きてくださいよー」 フランはゆさゆさと、ベッドで幸せそうに眠る和奏の肩を揺する。 「何よもぉー…今日も休みなんだからゆっくり寝させてよお母さ………ん、じゃない!」 「あ、おはよーございますー」 「おはよう……っじゃなくてさぁ!!」 なんでフランがいるの―――――と、そこで昨日フランは敵の罠にまんまとはまって、逆トリップしてきたことを思い出した。 「…要はフランがマヌケでしたってことか」 「はいそこー幻覚に溺れて死にますかー?」 「うふふー全力で遠慮しまーす」 朝から賑やか桜庭家。 「ちょっと和奏ー?」 「げ、」 騒ぐもんだから、ダイニングにいる母から声が掛かっちゃったじゃない。 絶対独り言を言ってる変な子だと思われたよ。 「誰なんですー?」 「お母さんだよ。 絶対見つからないでよ?」 「よりにもよってミーが見つかるなんて有り得ませんからー」 安心していーですよー、と間延びした声で応えたフラン。 とりあえず、起きてしまったのだから朝ご飯くらい食べなきゃ。怪しまれる。 「和奏サーンお腹空きましたー」 「だよねー…って言っても、いきなりフランが現れたりしたら即追い出しだろうしなぁ…」 「ですねー困りましたー」 「うん、ぶっちゃけ私は追い出し大歓迎だけどね」 「えーでも最初で出ていくなと言ったのは和奏サンで―――」 「じゃあ前言撤回」 昨日のお返し、とばかりに毒吐いてみる。 あ、別にそーゆーキャラ狙ってはないからね、うん。 フランなんかとキャラが被るなんて勘弁。 兎にも角にも、私がご飯を多めに持ってきて自室で食べることに。 お母さんに訝しげな目で見られたけど、“成長期なんだよ!”で誤魔化せた。(と思う) 「ん―、美味し―です」 「でしょ」 「“でしょ”ってー、和奏サンが作ったわけじゃないじゃないですか―」 「五月蝿い! 細かいこと気にするの禁止!」 色々言いながらも、あげた分をきっちり食べてくれたフラン。 ま、当たり前だけどね? お母さんの料理は本当に美味しいんだから! 「ごちそーさまでしたー」 「お粗末様でした」 「だから和奏サンが作ったわけじゃな――――」 「はいはいはい。 てか、今日何するかな―」 「何もしません―」 「は?」 「今日日曜日なんでしょ―? 日曜日は神様が世界を造ってお休みした日なんです―」 「あぁ、キリスト教の―――って、イタリアはキリスト教なんだ?」 「ミー達は本部がイタリアあるっていうだけですから―」 「ふーん? じゃあ、神様とやらがお休みしたんだから自分もなにもしない、と」 「はい、まぁぶっちゃけ―ただ何もしたくないだけですけどー」 ぶっちゃけたよコイツ。 でもまぁ、あの天下のヴァリアーがアーメンとか言った日=第三次大戦の幕開け、だろうな…。恐ろし。 「あ、和奏サン―」 「……」 「和奏サーン? ……あ―…別に何もしませんよ―?」 「…余計なことまた言うかもよ?」 「―――とりあえず無口とか似合わないこと止めて下さい―」 「似合わなくて悪かったわね!!」 「別に悪いなんて言ってませんけど―」 「チッ で、何?」 「…あ―やっぱり何でもないです―」 「は?なんだソレ」 「気にしたら殺します―」 「ハイ、キニシマセン。」 そういえば、さっき私が黙りだった時…。 かすかに“あ―…”という言葉に寂しさが混じっていたような。 フランて、カエルじゃなくてウサギなんじゃない? ま、こんなの言うごときで命は投げ出せないし口には出さないけど。 今日の教訓。 カエルも構わないと寂しくて死んじゃう。 なんか可愛いじゃないか。 End. (なんか勝手なこと考えてませんか―?) (へっ?いいいいいや!!) (……ま、いいですけど―) ((ほっ…)) ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ きっと、カエルも寂しがり屋なんです!← あ、タイトルあんま関係無しw ←→ [戻る] |