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はろークソガエル。
 

 鏡の向こうからこんにちはー


 って
 意味分かんないから!!

 あぁもう
 よりによって
 なんでアンタが来たの?




  はろークソガエル。




 ドッカン


そんな物騒な音がしたのは、学校も休みな土曜日のある日。
いつもと違うのは、発売したばかりの漫画をルンッルンな気分で読んでいたことだ。


「な、ななな何!!?」


私は咄嗟に漫画を置いて、音のした部屋へ駆けつける。


「(物置部屋――――?)」

その部屋は、元々一室だったものが、いつの間にかゴミ部屋もとい物置部屋と化した場所であった。
そんな場所から何故物音…。

野良猫が入り込んだ…にしては、やけに派手過ぎる。




「…いたた」


と、埃の舞い上がった空間にいつの間にか出来ていた影が喋った。


「お…おおお化け!?」

「失礼ですねー」


そんな返答が終わるか終わらないかの瞬間、私の背後に人の気配が。
目の前を見直すと、もう影は無くて。
え、瞬間移動ですか。ねぇお兄さん?


「あんた、誰ですかー」

「いや私が聞きたいんだけどね?」

ってか、この語尾の伸ばし方といいシルエットといい。
どこかで―――――あ。


振り返ろうとした瞬間、動いたら殺しますーという忠告を受けた。
仕方なく、背を向けたまま喋る。
 


「…ふらん……?」

「は?
…なんでミーの名前知ってんですかー」

「はは…やっぱりかぁ」

「無視かよー…」

コレ、何て言うんだっけ。
ほらあれだよ、あれ。


 逆トリップ



* * * * *



「はー、じゃあ普通にイタリアに行っても堕王子らのところには戻れないとー」

「うん、まぁそうなるね」


あの後、痛すぎる殺気を当てられながら状況を説明させられた。
怖すぎるよこの人。

あ、本編読んでた時に、ヴァリアーはろくな人間いないなーなんて思ったもんね。
そうだよね。うん。
あ、でもベルは好きだなーえへへ。


「えっと、フラン…さん」

「別に“フラン”でいーですよ。
ぎこちなさすぎてキモいですからー」

どんな状況であれ、毒舌はご健在のようだ。


「じゃあフラン、何でコッチに来たのか分かんない?」

「分かったら世話な――――あぁ、あの時の光かー」


そんな呟きの後、一瞬の殺気と舌打ちが。
わー怖いなーもうその殺気で人殺せるんじゃないかなぁ。

どうやら話を聞けば、敵の罠にはまってしまったようで。


「――というわけで。」

何が“というわけ”なのだろうか。


「よろしくお願いしますー和奏サン」

「いや、出来ればよろしくしたくないというか何でもありませんごめんなさいぃぃいい!」



いつでもどこでも殺気を出すのやめてくれないかな!
殺気放出サービスなんて要らないよ!

* * * * *

「…何してんですかー」

私は、フランが通ってきたのであろう場所を探っている。
しかしそれは探るなどという言葉は似つかわしくないのかもしれない。

何故なら、一際異彩を放つ鏡台がど真ん中にあったのだから。



「鏡……ってどんだけファンタジーなのよ」

「何独り言言ってるんですかー
変人みたいですー」

「違うわ!!」

「あ、そーでしたすみません。
変人“みたい”、じゃなくて変人なんでしたー」


「くぁ―――――!!!」



あぁもうなんでこんなにムカつくことが言えるかな、このクソガエルは!?
なんか私に恨みでもあるのか!?

そんな茶番も程々に。
どうやらフランが鏡をくぐって来たことは紛れもない真実のようだ。

試しにその鏡の真ん中に触れてみたが、どうもすぐ異次元に行けそうな感じではなかった。



「………絶対私の部屋から出ないこと」

「はー?」

「ココにいる条件よ!
しょうがないから慈悲深い和奏ちゃんがクソガエル…おっとと失礼、フランを置いてあげる」

「訂正を要求したいところですけど、まぁいいです―」



こうして、いつ終わるのか分からない二人の生活は始まりを告げた。

それは同時に、一つの別れへのカウントダウンの始まりだということに咲は気付いてはいなかった。




・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


はつれんさーい(ぱちぱち
まだ一話目なのに続編まで考え始めているという←

甘ギャグ9割シリアス1割で進行予定←
ま、末永くお付き合い下さいな。



 
 

 



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あきゅろす。
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