[通常モード] [URL送信]

短編小説



ビジュアル戦隊8のコンサート当日



俺は午前に講習が入っていたので

2人とは町で待ち合わせする事になった




(時計台の前で待ち合わせだよな…)


一本速いバスに乗る事が出来たので

約束した時間よりも30分早く待ち合わせ場所に着いた


良かった…これなら2人を待たせる事は無い

思わずほっと溜息が漏れる


人を待たせるのはやっぱり苦手なんだよな俺…




待っている間

周りの人達の服装を見る

休日という事もあって自分と同じ年代の子が多く

みんなオシャレだ



(おかしくないよな…)

俺は不安になり

もう一度自分の服装を確認してみる


薄いパープルのロンTシャツに

明るいベージュのパンツ

明るい色だけだとコーディネート全体がボヤけてしまうので

黒のキャップ、ベルト、サンダルで全体の色を引き締めている


拓也が俺の為に選んでくれたものだ


馬子にも衣装という言葉通りに

なんとか俺は周りのオシャレな人達の中にいても浮かずに存在できている






もう終わった事なのにまだ周りの視線が気になって仕方が無いのだ



周りの人達全員が目を引く程

カッコいい“アイツ”とお付き合いしていた俺にとっては


一緒に町を歩くたびに“つり合わない・似合わない”と言われ続けてきたから





お店のショーウィンドウを鏡に自分の姿を見つめていたが

自意識過剰のように見えるその行為に恥ずかしくなり

視線を別の方向へ移した




「ッ!?」



思わず自分の目を疑った

自分がアイツを想うばかりに

ついに俺の目がおかしくなったのじゃないか…と





俺から2年間経ったんだ

それなのに俺の心臓の高鳴りは変わらない

寧ろ前よりも酷くなっている






「八…木…」



[*前へ][次へ#]
[戻る]


第3回BLove小説漫画コンテスト開催中
[小説ナビ|小説大賞]
無料HPエムペ!