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NOVEL━
噛み合わない話。(村人皆/長文)
ある日、僕らの街に商人が来た。
彼は言った、「この農薬を使えば作物が沢山取れますよ」
ランピーが言う、「別に皆は食べ物に困ってないよ」
彼は言った、「この機械を使えば作業がはかどりますよ」
ハンディが言う、「俺が居るから要らねェよ」
彼は言った、「この本を使えば何でも知る事が出来ますよ」
スニッフルズが言う、「僕の方が知ってるよ」
彼は言った、「この薬を使えば沢山の人を助ける事が出来ますよ」
スプレンディッドが言う、「私に出来ない事等無いのだよ!」
彼は言った、「このピッキングセットを使えば壊れてしまった家の扉を開ける事が出来ますよ」
リフティとシフティが言う、「「アンタは俺等の事ナメてんのか?」」
彼は言った、「このコートを着れば寒さを凌ぐ事が出来ます」
クロ・マーモットが言う、「…僕には関係無いよ」
彼は言った、「この目薬を使えば目が良くなりますよ」
モールが言う、「私には無用の長物ですねぇ」
彼は言った、「この歯ブラシを使えば真っ白な歯が手に入りますよ」
ナッティが言う、「えぇ?」
彼は言った、「このブラシを買えば服が綺麗になりますよ」
ペチュニアが言う、「あらそう、でも頭にゴミの着いている貴方からは貰いたくないわね」
彼は言った、「この洗顔クリームを使えばニキビが消えますよ」
トゥーシーが言う、「君、人に勧める前に考えなよ…僕のは雀斑だ。」
彼は言った、「このマイクを使えば歌が上手くなりますよ」
マイムが言う、「…」
彼は言った、「このナイフを使えば護身用になりますよ」
フリッピーが言う、「何を言っているのかさっぱり分からないよ」
彼は言った、「このひよこ育てるととっても美味しいですよ」
フレイキーが言う、「そんな怖い事出来ないわ!」
彼は言った、「この釣り竿を使えば美味しい魚が沢山取れますよ」
ラッセルが言う、「俺には船が有る」
彼は言った、「この機械を使えば色々な音楽を聞く事が出来ます」
ディスコが言う、「いやぁ、俺は使い方が分からないから遠慮するよ」
彼は言った、「このビデオを使えばお子様の学力向上に繋がります」
ポップとカブが言う、「家の子に限って馬鹿な訳が無いだろう」「ぶー」
彼は言った、「このアクセサリーを付ければ可愛くなりますよ」
ギグルスが言う、「そんな事をした所で私が可愛くなる訳ないもの。」
彼は言った、「この服を着たら格好良くなりますよ」
カドルスが言う、「僕が一番可愛いよ!」
商人が言った、「皆さん黙ってどうしたんですか?」
ランピーが言った、「アンタが持ってる道具より、アンタが一番村に要らないよ」
村人は、皆で商人を殺して道具を目の前にして会議を始める。
カドルスが言う、「どうしようか、この死体…食べる?」
ランピーが言う、「別に皆は食べ物に困ってないよ、骨とかスパナの代わりに使えないかな?」
ハンディが言う、「俺が居るから要らねェよ。確か骨ってカル…何とかじゃなかったか?」
スニッフルズが言う、「僕の方が知ってるよ。カルシウムは骨を強くする事が出来るんだ」
スプレンディッドが言う、「骨に出来るのなら、私に出来ない事等無いのだよ!さぁ君達の骨を出し給え」
リフティとシフティが言う、「「アンタは俺等の事ナメてんのか?」」「つかどーすんだっての。」「金品は俺等が頂くがその他は?」
クロ・マーモットが言う、「…僕には関係無いよ」
モールが言う、「私には無用の長物ですねぇ。ナッティは如何です?」
ナッティは言う、「えぇ?ペチュニア、飴持ってなぁい?代わりに包み紙ならあげるよぉー」
ペチュニアは言う、「あらそう、でも頭にゴミの着いている貴方からは貰いたく無いわね。トゥーシーにあげたら?ニキビが隠せるかもしれないわ」
トゥーシーが言う、「君、人に勧める前に考えなよ…僕のは雀斑だ。マイムは?」
マイムが言う、「…」
フリッピーが言う、「何を言っているのかさっぱり分からないよ…カドルスじゃあ無いけれど、食べるなり何なりして片付けないと」
フレイキーが言う、「そんな怖い事出来ないわ!何処かに棄てましょうよ…」
ラッセルが言う、「俺には船が有る。オイ兄ちゃん、手伝えよ」
ディスコが言う、「いやぁ、俺は使い方が分からないから遠慮するよ。船の事はカブ並みに知識が無いからさ」
ポップとカブが言う、「家の子に限って馬鹿な訳が無いだろう。ギグルス君、若い君が乗ったらどうだね?」「ぶー」
ギグルスが言う、「船に乗るのは私には無意味だし疲れそうだわ…そんな事をした所で私が可愛くなる訳無いもの。ねぇカドルス?」
カドルスが言う、「僕が一番可愛いよ!」
誰かが言う、「どうしようか、この死体…」

噛み合わない会話、ぐるりぐるりと議論は輪廻する。

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