十人十色
始まり色〜ゴールドサイド〜
ご紹介に上がりました。私、イヴ・アウルム・ティアーユと申します。
この名前から分かる通り、皆さんから見れば外国人です。でも、私から見れば、皆さんも外国人なんですよ?髪と目は金色です。肌も白いです。あっ、髪は、お母様みたいな女性になりたいと思い、伸ばしています。今では膝まで届く程になりました。えへん。
「イヴと申します。これからどうかよろしくお願いいたします」
日本語は小学生の頃に覚えました。読み書きどちらも完璧です。
(ここが、私の新しいクラスですか)
ちゃんと皆さんと友達になれるか心配です。
なんで、皆さん無言なのでしょう?
「さーて、ティアーユの席についてなんだが、今から席替えを行う。異議のある奴いるか?」
席替えを!?
「「異議なーし!!」」
声の揃った拍手喝采。いきなりの事で、びっくりしてしまいました。
「クジは作ってある。この列から引いていけ。俺が開けって言うまで見るなよ」
テキパキと先生は全員にクジを配っていきます。
「これはティアーユの」
最後に残ったクジです。
「それで、各席に数字を割り当てるとこうなる。ティアーユのは何番だ?」
「えっと、3番です」
窓側の列の前から3番目。
「そうなると、隣は9番ってわけになるな」
コクコク。皆さん真剣そのものです。
「よし、開け!」
先生の合図で皆さんが一斉にクジを開きます。殆どの人が落胆している中、一人の女子生徒の方が、
「ああっ!?」
大声を出して、立ち上がりました。
「私、9番!」
クジを高らかに上げる彼女。女子の方は、羨ましそうに、男子の一部からは妬ましそうな視線を受けてます。
「おー、赤坂か。よーし、ちゃっちゃと席を移動しろー」
ガタガタと席が替わっていきます。私の席は廊下で待機していました。先生が運んでくれます。
数分もすると、席替えが終わりました。
「ティアーユ。席に座って良いぞ」
先生に促され、私は自分の席に向かいます。
皆さんの視線を感じます。
ドキドキ。緊張します。
「あっ」
席に座る直前、赤坂さんと目が合いました。
可愛い方です。多分、元気がいっぱいな素敵な方。
友達になれるかしら?
「あ、あの」
彼女から声をかけてくれました。次の言葉を待ちます。
「赤、赤坂良子です。・・・・・・これからよろしくねティアーユさん!」
「どうか、名前で呼んで下さい。・・・・・・良子さん」
「え!?う、うん。・・・・・・イヴさん」
これが、私のこれから。
学校生活の始まり。
素敵な毎日の第一歩。
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