十人十色
始まり色
突然です。突然だけど!
転校生って聞くだけでワクワクする。
皆もそう思わない?思うよねー?
・・・・・・えっ、言ってなかったけ?
私の名前?あははは、ごっめーん。
コホン。
私は赤坂良子(あかさか・りょうこ)です!勉強は苦手だけど、スポーツは得意。部活のテニスでも正レギュラーを狙えそう。
他は、性格が明るいって事以外普通かな。外見は悪くないけど、友達の方が美人だし。
で、私がなんで転校生ってフレーズにワクワクしていたかというと、なんと!私のクラスに今日転校生が来るんです!
クラスではこの話題で持ち切りで、私の友達も例外ではありませんでした。
「どんな子だろう?」
「女で美人が良い」
「流皆は率直だな」
どんな子なんだろう?やっぱり女の子が良いなー。友達になれるかな?
ワクワクで、むしろ緊張してきた。
キーンコーンカーンコーン
チャイムが鳴り、しばらくすると先生が、
「その位置に立ってろよ」
と、言ってから教室に入ってきた。明らかに、わざとな大き目声です。男性の25歳独身。いつもの詰まらないボケかと思ったけど、違う。
(あそこに転校生がいるの?)
むむ。見えない。なんて絶妙な立ち位置。
隅っこの生徒も、こっそり見ちゃおうなんてしません。
「皆知っていると思うが、うちのクラスに転校生が来ることになった」
カツカツと白チョークで生徒は黒板に文字を書く。
『イヴ・アウルム・ティアーユ』
な・ま・え?カタカナのオンリー・・・・・・つまり?
「「「外国人!?」」」
見事に全員でハモりました。キャーとか、うおーとか、歓声がクラス中に響く。
転校生ってだけでビックリなのに、まさかの外国人。二度ビックリ。
「ちなみに、女子だ」
「「うおー!!」」
男子が一段はしゃぐ。私は英語の教科書を取り出し、開きます。
・・・・・・無理でした。こうなったら、当たって砕けろ。
「静かになー」
ピタリ。一転して教室が静寂に包まれる。
「よーし。入ってこい」
ガラリと開く扉。
感情は感動に達していた。
私は、そう。天使に会った。
「「「・・・・・・・・・・・・」」」
皆な静かです。静かにもなるよ。だって、その子は、その子は、
(可愛い〜)
可憐清楚の超乙女。微笑が眩しい。眩しいよう。
「イヴと申します。今日からどうかよろしくお願いいたします」
あう。なんて素敵なソプラノボイス!
「さーて、ティアーユの席についてなんだが、今から席替えを行う。異議のある奴いるか?」
席替えを!?
「「異議なーし!!」」
拍手喝采。イヴちゃん軽くびっくりしています。
その日は、私達にとって、忘れられない、大切な日になりました。
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