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93゚
(15) -Side幸慈-

 
詩遠が組を潰してから、仕事が忙しくなっていた
 
まだ誰が白川組を潰したのか露になっていないからいいもの…
 
もし分かったら詩遠の命が危ない
 
携帯を閉じて、本家の中に戻る
 
「なんだ」
 
「白川の者が1人永らえてるとのことです」
 
チッ…まだ生きていたのか
 
幸いそいつは植物状態なため、まだ平気だか…いつバレるか分からない
 
そのために詩遠を全寮制に入れたのだ
 
しかもそれは俺と蓮、蘭の親父が経営している学校だ
 
一応事情を話してはあるが、二人仲良く海外に行ってるらしい
 
「遙。志紅も巻き込まれるかもしれねぇ」
 
「えぇ、大丈夫です。」
 
とにかく他の組はトップの組の弱みを掴みたがる
 
そしたら終わりだ
 
早めに片を付けて、詩遠を迎えに行く
 
まぁ詩遠のことだから、まだ残りたいだのなんだの言うかもな
 
不思議と詩遠のことを考えれば、気持ちが和らぐ
 
「この俺が…あんなガキに」
 
「幸慈さん?」
 
「いや。白川の傘下の奴ら探り出せ」
 
組員一斉に挨拶をし、それぞれの仕事に戻る
 
「なぜ俺が不在だと漏れた…?」
 
あのとき俺が不在だと知っていたのは、遙と來人、壊人、李以…志紅に詩遠だけだ
 

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