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93゚
(12)

 
「ねぇ、どこから来たのぉ?」
「俺と付き合わねぇ?」
「おいっふざけるなよっ」
 
えーと……
おろおろしていると、志紅が助けてくれた
 
「みんな、詩遠が困ってるでしょう?」
 
可愛らしく首を傾げる志紅に、鼻血を垂らす数名
 
その姿にロックオンされた俺は、志紅に抱き着きながらにへーと笑う
 
そこでまた悲鳴が上がったのは、言うまでもない
 
なんで一々悲鳴が上がるのか分からないまま、志紅に手を引かれて歩いていく
 
「志紅ー」
 
「あ、憂」
 
「詩遠、早速絡まれたんだ?」
 
志紅に確認するように聞く憂に、頭にハテナを浮かべる
 
沙夜も後ろからカーディガンを、肩に掛けてちょこちょこついてくる
 
「これから生徒会室行くからね?」
 
「なんでー?」
 
「僕たちの友達紹介しようと思って…」
 
沙夜が照れた声で言うから、可愛すぎて抱き締めた
 
憂が膝カックンしてきたが、あまり意味のないことだったけど
 
あーあ、幸慈何してるのかなぁ
 
段々寂しくなってシュンッとしてきた
 
あ、でも俺が来たってことは志紅も会えないんだ…
 
「ここだよ」
 
考えている間に着いてしまったようだ
 
こうして来ると、結構緊張する
 

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