[携帯モード] [URL送信]

93゚
(11)

 
「じゃぁ僕が合図したら入ってきて?」
 
こくんと頷いて、壁に寄りかかる
 
無意識に入っていた、肩の力を抜いて深呼吸
 
結構緊張するんだなぁ
 
かすかに聞こえる中の声に耳を済ませる
 
「今日、転校生が来ますのは知っていますよね?このクラスに来ます」
 
「えーっ!!そういうのは早く言ってよぉ」
「そうだよっ、格好良い人だったらどぉするのぉ…」
「可愛い子ちゃんがいいなぁ」
 
あー…そんな期待しなでください
 
てか男子高校生にしては、声が女の子っぽくないか?
 
可愛くもないしなぁ
 
「じゃぁ入って」
 
そう担任の声が俺を呼んだので、中に入ろうとドアに手をかける
 
そこでまた深呼吸
 
「失礼しまーす…」
 
ドアをそろそろと開け、ひょこっと顔を出して中を覗く
 
シーンと静まりかえった教室に、恐々としながら教壇に立つ
 
先生を見上げると苦笑いされる
 
え…?
なにそれ…虐められちゃう?
 
不安になっていると、いきなり耳が割れるような悲鳴(?)が
 
「「うぉぉおぉ!!」」
「「きゃぁあぁ!!」」
 
先生に耳を塞がれて感謝する
 
暫くして止むと、先生が俺を紹介してくれた
 
じゃぁ一言どうぞ。と言われて顔を上げると、志紅と目があった
 
志紅が手をふってくれたから、微笑み返すと誰かが倒れた
 
大丈夫かな……?
 
「神乃 詩遠です。なんか色々あってこの学校に来ました。仲良くして下さい」
 
ペコッと頭を下げて、顔を上げると机に頭を伏せている人が多かった
 
眠いのかな……?
 

[←][→]

11/29ページ

[戻る]


あきゅろす。
[小説ナビ|小説大賞]
無料HPエムペ!