93゚ (09) 一応、職員室まで来たが職員会議の札が、掛けられている これは入っちゃいけない雰囲気だよなぁ てか高校になってまで職員会議とかあるんだ 職員室のドアにもたれ掛かりながら、ふと思う 幸慈…今何してるんだろう 幸慈のことだから、忙しく走り回って居るんだろうな。と笑う 「……うわっ!!」 いきなり後ろにあったドアが開き、身体の自由が効かなくなる しっかり抱きすくめられた身体は、未だに動こうとせず、相手に任せたままだった 「大丈夫か?」 「うぇっ!?…あ、はい」 やっと身体の自由が効き、自分の足で立ち上がる 支えてくれた人は、相沢さんというらしい 2年D組の担任だ 「お前か?…転校生というのは」 「えーっと」 「名前はー…あー、神乃…」 「あ、神乃 詩遠です。宜しくお願いします」 自分のことだと分かり、ペコッと頭を下げた 相沢は宜しく。小さく答えて、誰かの名前を呼んだ 「初めまして。詩遠くんの担任になります、柳瀬です。宜しくね」 愛想の良さそうな笑顔に、俺も笑顔を返す 横からどす黒い何かかを感じたが、無視をした 「詩遠くんのクラスはA組だから。良かったね」 「良かったね…?」 柳瀬先生が歩き出したので、後を追うように着いていく [←][→] [戻る] |