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(03)

 
雅之さんの料理を食べながら、幸慈に言う
 
「こーじ、俺、ばぁちゃん家に帰るね」
 
「あ?」
 
一気に幸慈の機嫌が下がった…と思った
 
だって声がぁ…
 
まるで俺を離さないというように、俺の腰を抱く
 
「えと、このままじゃばぁちゃん家無くなっちゃうから」
 
「遙。」
 
俺が話し終わる前に遙さんを呼ぶ
 
むくーっと剥れた俺を無視して、遙さんに何か呟いた
 
「これから神乃様の私有地は、久原のものとなりました」
 
俺に一礼をして、志紅を連れ部屋を出ていってしまった
 
神乃様…?
 
なんで様付け?
 
「こーじ、ばぁちゃんの事」
 
「お前、勘が働くな…神乃さんには色々とお世話になったんだ」
 
ばぁちゃんと、こーじが?
 
だから、ばぁちゃん…久原は他のところと違うって言ったんだ
 
「なんだぁ…そうだったんだ」
 
あ、じゃぁ此処に居て良いんだ
 
無意識に顔が緩む
 
雅之さんのご飯を食べ終わり、幸慈に寄りかかる
 
「あ、暫くお前、学校通え」
 
へ…?
 
ポカーンと口を開けていると、顎を下から押される
 
「学校、行ってなかったろ?」
 
ん?
 
と言って俺の顔を覗き込む
 
確かにばぁちゃん家出ってから行ってないけど…
 
金ないし
 
「金は俺が払う」
 
「うぇえ?…良いよっ」
 
「良いから。こっちも忙しくなりそうなんだ」
 
………行くことになってしまった
 

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あきゅろす。
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