93゚
(02)
「聞いてよっ」
「バリバリ聞こえましたよ。今、雅之が作ってますって」
宥めるように頭を撫でられた
…が、ピタッと止まる
総馬を顔が蒼白くなっていた
視線の先には………
「組長…」
「オラてめぇ」
総馬の首を締めて、ガクガク首を揺らす
それを見た組員さんは、総馬を指差して大声で笑ってた
遙さんもクスクス笑っているけど、隣にいる志紅は気が気でないようだ
「はぁッ、死にますよ!!…たく、」
「当たり前だ。そうやってる」
黒く笑いながら、両手をパンパン叩く
総馬は首を擦って、幸慈に苦笑いかける
「ほんと、冗談ならないっすよ」
「詩遠くん?…ご飯持ってきたよー?」
揚げ物の匂い…
今日は蕎麦だったんだっ!!
目をキラキラして、雅之さんに思いっきり抱き着く
すぐ後ろで寒気がする
振り替えると幸慈の周りの温度が、氷点下に下がっていた
急いで離れて、幸慈の傍に行く
・ ・ ・
「「あーっハハ!!」」
組員さんが一斉に笑う
ムウと頬を膨らませていると、またシーンと静まり返った
「駄目…んッ…」
「大丈夫ですよ。みんな、見て………あ」
「遙さん…?……………ぎゃぁぁ///!!」
静まり返った理由…
端っ子ーの方でイチャラヴしていた、お二人様に気付いたからだ
志紅が悲鳴を上げたら、また爆笑の渦に呑まれる
そんな小さな出来事が、とても嬉しかった
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