93゚ (04) 「では、詩遠くんで良いですか?」 「うんっ」 爽やか笑顔で頭を傾げながら聞いてきた 負けじと笑顔で返すと、幸慈の足が俺を持ち上げる 幸慈を見ると、顎で豪華な食事を差していた 期待するかのような目を向けるとまた差す 「やった!!」 お箸を持って和食のご飯を食べる うんまっ… 「詩遠」 「……魚?」 幸慈の目線を見て思った事を言うと口を開ける 「もー…自分で食べれば良いのに。待って……はいっ」 軽く睨み付けながら魚が落ちないように、手を添えながら口元に持っていく 完璧に入ったところを見て、向き直ると箸を取られる 「なにさっきから!!そんなに俺のお楽しみを邪魔したいわけ!?」 いい加減キレて幸慈から降りる 周りを見渡して食べ終わった人を見つけ、恐れ多くも貸して貰った それで食べようとすると慌てて幸慈が止める 「だからなに!!…本当なんかあったの!?」 今にも幸慈に突っ込みそうな俺に、來人さんが笑いながら止める よく見ると周りの人達も笑っていた 挙動って幸慈の裾を掴む 「はぁ…本当2人共面白いですね。仲良いのかと思ったら幸慈さんは嫉妬。詩遠くんは怒るし…幸慈さんは慌てて、詩遠くんは今、裾掴んでるし…」 目に涙を溜めながら話す來人さん …にしても幸慈、嫉妬してたんだ? ヤバい…顔ニヤける 顔の筋肉をフルに活用して、ニヤけ顔を堪える [←][→] [戻る] |