93゚
(01)
=久原組の本家=
やっばい
なにこのお屋敷
-10分前-
「おい。行くぞ」
「わわっ待って」
午前9時に幸慈が教会にきて、俺の部屋に入ってきた
俺が起きたのは午前8時55分
ギリギリってわけ
幸慈が入ってくるまでは、ボーッとしていてさっき覚醒した
急かされて昨日のうちにまとめた荷物を背負おうとすると、横から手が伸びてくる
その手は俺の荷物を持って幸慈の肩に置かれた
「こーじっ別にへ「お前それで行くのか?」
慌てて取り返そうとすると顎で指される
自分の姿を見てみると……パジャマだった
…駄目っすね
忘れてました
「そのままで行け。仕事が入ったんだ」
午後からだったのが午前に入ってしまったらしい
パジャマで行けと?
いや、それはどうかと
俺でもそんな勇気はありません
でも幸慈も部屋から出ていて、そのままパジャマで行くことにした
なんか幸慈と付き合ってから、色々なものを失ってるような気がする
「じゃぁねっ!!また来るからねぇ」
「お、おー」
パジャマのまま2人に挨拶をして、幸慈をおいかける
間の抜けた声が後ろから聞こえたが、幸慈をおいかける事だけで精一杯の俺は気付かなかった
「ちょっと待ってよー!!!」
小走りで黒の車に乗る
みんな…優しい人なのかなぁ
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