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93゚
(06) -Side詩遠-

 
一方俺らは街をブラブラしていた
 
ただ何もしないで幸慈の隣の少し後ろを歩く
 
背…高いなぁ
どれくらいなんだろう
 
「こーじ。背どれくらい?」
 
「あ?…知らね……180はあるだろ。」
 
………チビに対する嫌味ですか
 
あーそうですか。そうですか。もーいいよ。ぐれちゃうから
 
後ろから幸慈を睨んでいると、クスッと笑われて頭を撫でられた
 
「お前は?」
 
「………ひゃくろくじゅうご…ぐらい」
 
俯いて答えると、また頭上で笑われた
 
もうやだ。この子。自分が高いからって……はぁ…
 
俺は完璧怒ってどんどん前を歩く
 
「…怒るなよ」
 
そう言いながらも笑ってる。ムカつくなぁ
 
…でも楽しいと思ったのは内緒だ
 
背の高い幸慈を見上げながら、歩いていると何かにぶつかった
 
危うく撥ね飛ばされるところだったが、後ろにいた幸慈が支えてくれた
 
俺がぶつかった人がゆっくり振り向く
 
「……遙さんっ」
 
嬉しくて抱き着こうとしたら、幸慈に阻止された
 
ふと遙さんの隣を見ると、小さくて可愛い女の子がいた
 
「…遙。隣のガキ」
 
単語だけ遙さんにそう言うと、遙さんは一礼してから説明した
 
「…そちらに向かって行く途中に、こちらの方が糞に絡まれていたので。あ、男の方です」
 
……糞?
糞?
 
頭にハテナを沢山浮かべていると耳元で「不良の事だ」と低い声で言われた
 
耳元って弱いんだよなぁ…
 
って……男なんだ
女の子みたい。何回も言うけど。
 
「で?」
 
「…えぇ、家に送ろうとしていた所です」
 
「んな事じゃねぇ。」
 
「分かってます。けじめはちゃんと致します」
 
意味分かんない
てか男の子震えてるんだけど…寒いのかな?
 
……………幸慈か
 

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