93゚ (08) -Side真矢- やっと僕の王子様が手に入った…でも意外と暴れなくて残念 躾がいがあるかなあって思ったのに でも暴れないってことは、僕を姫って認めてくれるんだよね? だから暴れなくて、僕を見つめてくれるんだ 詩遠に会ってからはすごく胸が高鳴る しかし、2人の時間を遮る音はすぐ鳴った 詩遠と少しの間だけでも離れるのは寂しいし、怖い どっか行ってしまいそうで 鍵穴を見ると偽物の"姫" 「はあ、もう早いなあ」 仕方なくドアを開ける 「なんですか?いきなり…」 「うん。詩遠、知らないかな?」 単刀直入すぎでしょ もっと潜入してくると思って、いろいろ考えていたのに 「えっと、何故ですか? 僕と神乃様とはそんな近い関係ではないですよ? そんな恐れ多いです」 サラサラ言うと、偽物の"姫"は僕を睨む 「嘘でしょ!!詩遠を返してよ!!」 ヒステリックに叫ぶ…でも僕にはなにも聞こえない 廊下には人だかりで、その声にみんなこちらを見た 「ぼ、僕、なんにもっしてな…っ、ヒェッ」 泣き真似は僕の得意技 「志紅…えーっと真矢だったな。 悪い、嫌な思いさせて」 偽物の"王子" [←][→] [戻る] |