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93゚
(07)

 
そうだっ!!携帯!!
 
と思うも、手は動かないしポケットにある気配もない
 
諦めて志紅たちの無事を祈ろうとしたとき…
 
ドンドンッ
 
真矢の部屋のドアが、来客を知らせる音を鳴らせた
 
これしかないっ!!
 
「助けてー!!たすけ…」
 
「無理だよ。ここは防音されてる」
 
…そんなことはない
 
なにかあったときのために、全部屋の防音は禁止されているはずだ
 
再び叫ぼうとする…が
 
「だから言ったでしょう?…ここまでするのに時間がかかったんだって
毎日CDを最大音量で流して、隣部屋から当たり前のように苦情がくる」
 
なんでそこまでして…
 
そこから考えつくまでに時間はかからなかった
 
隣部屋が寮長に言って、防音にするように言ったんだ
 
寮長は多分、反対したけど…
 
「本当、時間かかったなあ…いっぱい説得したの
詩遠と一緒にいるために」
 
俺の頭を撫でてから、玄関へ向かった
 
真矢がいなくなって寝室で1人考える…これからどうしよう
 
「てか俺、誘拐されすぎ
誘拐されやすい体質なのかなあ…はあ」
 
身体から力が抜けた
 

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