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93゚
(06)

 
怖くて歯がカチカチする
 
なんで?
 
頭にはそれしかなかった
 
「真矢…なん、で」
 
「…なんでって?
どういう意味?…だって僕たち愛し合ってるでしょう?」
 
意味がわからないと首を横に振る
 
本当にこいつはやばい
 
駄目だ、逃げられない
 
いつもなら目の前が真っ赤になるはずなのに、今日は何故だかならない
 
真矢を友達と思っているから?
 
多分、それしかないだろう…自分がわからなかった
 
「なのにあいつら邪魔ばかりしやがって
安心して?…僕がやっつけてきてあげる」
 
あいつら…?
 
嫌な汗が出る
 
あいつらって、志紅たちじゃないよな…?
 
「王子様は詩遠だけでいいのに。姫は僕の役目。妖精も僕がやる。
傍にいるなんて許せない」
 
憂、志紅、沙夜、唯
 
「騎士なんていらない…詩遠がいるもん。貴公子だって眠り姫だって、いらない」
 
茶月、黒崎、白崎
 
真矢は俺の頬を撫でる
 
怖くて顔を避けようとしても、できなかった
 
目の前の男が怖かったから
 
「詩遠も嬉しいでしょう」
 
今度は唇にキスをされた
 

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